CSR活動:領収書・請求書の電子化件数に応じて苗木を寄付するプロジェクト「紙々の森」、南相馬市で植樹祭に参加

Chika Ando |

昨年から始動した、SAP Concurを利用して領収書・請求書の電子化件数に応じて苗木を寄付するプロジェクト「紙々の森」。2019年5月24日に、コンカー初の植樹イベントに有志メンバーで参加しました。植樹の場所は福島県南相馬市。「公益財団法人 鎮守の森のプロジェクト」の植樹祭に参加させていただきました。

川俣町~飯舘村を経由、東日本大震災について考える

まずは東日本大震災での原子力発電所の事故で、甚大な被害を受けた地域の一つである川俣町、飯舘村をまわりました。震災から8年経過し、青々とした緑に包まれた美しい街を見る限り、震災の影響を受けたとは信じがたいように思えました。

ところが、所々にビニールシートに覆われた巨大な塊が。
「これは放射線で汚染された土壌をここで仮保管しているんです。また、この保管場所を取り巻く地域も、昔は広大な農地でした。しかしながら農地として利用することがまだ難しく、このような空き地のままになっています」
と、弊社社員の遠藤が説明します。

遠藤はCSRの活動を企画・運営するCSRタスクフォースのメンバーであり、プロジェクト「紙々の森」企画メンバーの一人です。彼は南相馬市出身であり、東日本大震災では家族が津波の被害を受け、被災しました。家族と連絡が取れず、ただテレビを見つめることしか出来なかった当時の想いも併せて話を進めます。

その話を聞きながら辺りを見ると、また違った光景が見えてきます。震災から8年も経過するのに、大量の汚染土壌がまだ「仮」の状態で保管され続けていること。またきれいな緑に覆われている土地は、本来であれば作物がすくすくと成長し葉をつけているはずである場所であったこと。そういうことを考えると、ここに住まれている方々がどのような思いで今まで踏ん張られてきたのかが、少しばかりですが、感じとることができました。

また、太陽光パネルでぎっしり埋め尽くされたエリアにも遭遇しました。その土地とそこに暮らす方々の未来のために、再生可能エネルギーである太陽光発電事業を立ち上げ、再生を目指しているとのことです。

植樹祭。いのちを守るための木を植える

そして南相馬市の植樹の場所に到着。約7mの高さがある巨大な堤防すぐの広大な土地です。鎮守の森プロジェクトの皆さんにご支援いただき、植樹を行いました。

この植樹は災害からいのちを守る森をつくるためのもの。東日本大震災の際、宮城県南三陸町や岩手県大槌町など、津波でも倒れず残っていた鎮守の森を参考に、その土地に適した十数種類の木を密植・混植し、自然災害に強い森を作っていくというものです。

まずは海に向かって被災された方々に黙祷。それから鎮守の森プロジェクトの方々より、プロジェクトの立ち上げ時の想いや、植樹の意義、植樹での注意点について教えてもらいます。

作業は主に3つです。

  1. 苗木に水を吸わせて、ランダムに植える
  2. 藁をかぶせて、苗木を守る(水分確保、無駄な雑草を育たせない)
  3. 藁が飛ばないように紐で固定する

参加社員は28人。今回植樹するのは300本。一人約10本目標で頑張ります。社長の三村も先陣を切って植樹に励みました。普段はオフィスで協力しあうメンバーが、今回は実際に手を取り合って、部門も役職も関係なく、ひたすら苗木と向き合い植樹を進めます。当たり前といえばそうなのですが、仕事のことはいったん忘れて、普段なかなか話す機会のない社員とたわいのない話をしたり、協力したりするのは、実際にやってみると、とても新鮮。そのあと、特別な一体感が生まれてような感じがしました。

植樹祭を終えて

私個人の感想ですが、300本というと「ものすごく大きな土地を木で埋めつくした!」となるのかと思いきや、意外と小さなエリアにしかなりませんでした。お話を聞くと、わざと密度高く木々を植えることにより、木々が競争しあい、強い木が残って成長するようになるとのこと。それが森を強くするためなのですが、この土地を鎮守の森で埋め尽くすには、多くの苗木と、それを植える人、そしてその木々を育てる人の甚大な努力が必要なのだと改めて気づきました。

5年後、10年後のこの苗木たちの成長に思いをはせながら、今後も苗木の寄付や植樹を通して、いのちを守る森を増やす支援を継続できればと思います。なお、プロジェクト「紙々の森」では、SAP Concurを利用して電子化した領収書・請求書の50,000件につき1本の苗木相当分を「鎮守の森のプロジェクト」に寄付します。2019年3月までの電子化件数は2,445,901件であり、今回の300本に加え、現在までに47本の苗木を寄付しています。今後もSAP Concurの製品を通したペーパーレス化への取り組みと合わせて、鎮守の森を作る活動にも貢献していきたいと強く思います。

最後になりましたが、今回ご協力いただいた鎮守の森のプロジェクトの皆様、そして弊社内ではありますが、今回の植樹祭を企画・運営してくれたCSRタスクフォースの皆さんに感謝です!ありがとうございました!これからもよろしくお願いいたします!