出張・経費管理トレンド

選択肢はConcur Invoiceのみ。電子帳簿保存法で目指すネットワンシステムズの働き方改革とは

SAP Concur Japan |

ネットワンシステムズは、電子帳簿保存法(電帳法)の対応に先鞭をつけ経理部門のペーパーレス化を実現するため、2017 年に Concur Invoice を導入した。結果として、処理プロセスを完全システム化することで、年間約6,600件(月間約550件)にも及ぶ請求書の処理工数を削減。今後電帳法に対応することで、原本の運搬及び保管のコスト削減にも意欲的に取り組み、管理部門も含めたワークスタイル変革に臨む。

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SAP Concur を選択した理由

  • ワークスタイル変革に伴うペーパーレス化の推進
  • 他社にはない電子帳簿保存法への対応
  • 請求処理の自動化による確認業務を削減
  • BIを活用した請求業務にかかわる無駄の削減

Concur Invoice 導入の要件定義をするために、従来のワークフローを見直すと、経理が自ら思っていた以上に、人手での作業をしていたことに気づきました。

ネットワンシステムズ株式会社 経理部 関係会社管理チーム 梅木彩希 氏

電子帳簿保存法への対応をきっかけにConcur Invoice を導入しました。懸案だった経理業務のペーパーレス化、効率化が進み、経理部の作業工数、労働負担が大幅に削減されました

ネットワンシステムズ株式会社 経理部 経理チーム 竹井正則 氏


電子帳簿保存法への対応を視野にConcur Invoice を採用

ネットワンシステムズ株式会社は1988年に設立され、ネットワーク機器の販売、情報インフラの構築、及びそれらの保守サービスを中心事業としているネットワークインテグレーターである。ICT の活用ノウハウを提供し、近年ではセキュリティシステム、IoT ソリューションでも高い評価を受けている。

同社が Concur Invoice を導入した要因は業務のペーパーレス化を進めていたことだ。当時、全社横断的な「販売管理費削減プロジェクト」が進められており、その取り組みの一つとして、経営層からも紙による業務をなくすよう指示が出ていた。ネットワン株式会社管理本部経理部の梅木彩希氏は「当社ではテレワーク制度を採用しており、直接部門である営業の現場ではIT 化が進み、場所に依存せずに働くことが可能になっていました。しかし、管理部門では紙ありきの業務運用が依然として残っており、この状況をどう変えるかが大きな課題となっていました」と当時を振り返る。

例えば請求書処理のとき、経理部は紙の請求書と申請データを付き合わせてチェックし、計上後は税務調査対応等でいつでも探し出せるよう、請求書を丁寧にファイリングし、倉庫に保管していた。同社経理部では年間約6,600枚もの請求書を処理しており、その倉庫保管コストと処理に要する工数は大きな負担になっていた。

また、申請者のミスによる手戻りも少なくなかったという。同社で同じ部署の竹井正則氏は「申請する社員が勘定科目などを間違えるなど、手戻りするケースが2割程度あります。経理部ではこれらのチェック作業を当然の業務として行ってきましたが、大きな負担になっていました。請求書のデジタル管理が実現すれば、こうした課題の解決につながると考えました」と話す。

この状況を変えたのが、平成28 年度の改正電子帳簿保存法の施行だ。請求書を電子化し、帳票として管理するためのシステム要件としてタイムスタンプ機能が必須であったが、ネットワンシステムズの従来のシステムでは様々な要因から対応が難しかった。「複数のシステムを比較検討しましたが、電帳法への対応を想定した製品は Concur Invoice だけでした。また当社の基幹システムがSAPであったことから、親和性が高いことも決め手でした」(梅木氏)。

また同社では既に2015年に Concur Expenseを導入し、経費精算の効率化で効果を上げていた実績があり、SAP Concur への信頼が築かれていたことも大きかった。

Concur Invoiceの柔軟性とコンカーの迅速な対応で短期導入を実現

同社経理部が Concur Invoice 導入の対象としたのは、販売管理費(販管費)である。家賃、交際費、通信費、物流費、事務用品費などが該当する。2017 年7月に導入を開始し、導入に約1ヶ月、試用期間と最終調整の1ヶ月を経て、9月に本稼働するという非常に短期間での導入だった。「導入期間中に従来ワークフローの見直しを行いました。これまで経理部は、請求書の各項目を細かくチェックし、承認者を誰にするかも手作業で設定していました。そうした作業を Concur Invoice でどこまで自動化するか、それを含めて要件定義することに最も時間をかけました」(梅木氏)。

要件定義が決まっても、Concur Invoice の実際の動きを理解するにはコンカーの支援が必要だ。操作方法を質問すると、その日のうちにコンカーから返信がくる。このやり取りの迅速さも短期導入を成功に導いた要因だったという。

請求書処理における監査ルール機能の設定項目は、ときには現場の要望を聞き入れる必要もあった。「例えば仕入先ごとの支払い期日は不要としていたのですが、ある部署から入れてほしいと要望がありました。そこで、その仕入先の請求書だけには支払い期日を必須にするよう、調整を加えました。現場の要望に合わせて柔軟に監査ルールをセットできるのも Concur Invoice の強みだと思います」(竹井氏)。

本稼働の前には、各部門の請求書を取りまとめている担当者に向けて、テレビ会議を使って Concur Invoice の導入を社内告知した。「もともと Concur Expense を使っていたので、請求書の管理手順が変わったことを知らせるだけで問題なく移行できました」(竹井氏)。

自動規程チェックで年間6,600件にも及ぶ請求書の処理工数確認を削減

Concur Invoice が本稼働してから約10ヶ月が過ぎ、効果は着実に表れている。

まず、経理部が実施していた月で平均約550件、年間で6,600件ほどの請求書の内容確認が不要になった。「請求書は1 件当たりの金額も大きいため、内容の誤りや処理プロセスに手違いが発生すると取引先に迷惑をかけてしまいます。ですから、申請の支払額、消費税、勘定科目等、すべての項目を目でチェックするのが当然だと考えていました。しかし今は、Concur Invoice の監査ルール機能による自動チェックによって効率的な処理ができており、改めて、これらの業務はシステムがすべきだったということに気づくことができました」(梅木氏)。

さらに手戻りの数も減ったと竹井氏は話す。「請求書の入力内容に不備があれば、申請提出前にアラートが表示されるため、提出前に内容が是正され、経理の手を煩わせなくて済むようになりました。チェック工数は3、4割程度に減り、作業時間も年間で230~240時間の削減になっています」。

稼働して実感したメリットもある。Concur Invoice を導入する前は、申請者は伝票を印刷し、紙の請求書とセットにしてマネージャーに回覧し、承認をもらっていた。しかし紙の運用をやめたことで、システム上ですべての処理が完結できるようになった。「大量の用紙はもちろん、印刷やホチキス留めにかかる時間など、予想以上に時間がかかっていたことに気づきました。それがなくなったことで非常に作業が楽になったと思います」(梅木氏)。

ワークスタイル変革に向け電子帳簿保存法への対応に取り組み、さらなる業務効率化を目指す

ネットワンシステムズは Concur Business Intelligence を使った支出分析も行っている。
「今は源泉納付額や支払い明細などの経費支出の実態を把握するために活用しています」(梅木氏)。今後は Concur Business Intelligenceを活用することにより、何に手を付ければコスト削減につながるのかを見つけ出していきたいと梅木氏は続ける。

また次のフェーズでは、Concur Invoice で改正電子帳簿保存法の対応に取り組み、請求書管理の完全電子化を実現することを目標としている。「紙の請求書廃棄を実現し、倉庫保管などのコスト削減や、請求書処理の更なる効率化を実現する業務フロー改革、経理部の生産性向上により一層取り組みたいと考えています」(梅木氏)

会社全体のさらなるワークスタイル変革に実現に向けて、経理業務の完全な電子化を視野に置きながら、管理部門全体の効率化を進展させていく予定だ。

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