プレスリリース

コンカー、インボイス制度開始後の 経費精算業務の実態調査および提言を発表

SAP Concur Japan |

~経費精算の業務負担増を解決するため、出張旅費等特例の範囲を拡大し、キャッシュレス決済時の適格請求書を不要に~

 出張・経費管理クラウドのリーダーである株式会社コンカー(本社:東京都千代田区、執行役員社長:橋本 祥生、以下 コンカー)は本日、インボイス制度開始後の経費精算業務の実態調査結果と、インボイス制度の要件緩和に関する提言を発表しました。

 昨年10月に導入されたインボイス制度は、適正公平な課税を実現するための法制度であり、企業の経費精算において事業者登録番号、適用税率ごとの税額が記された適格請求書(以降、「適格な領収書」と記載)の受け取りが必要になりました。しかし、インボイス制度の経費精算業務への影響についてコンカーが経費管理者、経費申請者各500名に対し調査を実施した結果、ビジネスパーソンの負担が増加しており、経費精算業務のデジタル化が後退する恐れがあることが明らかになりました。

 インボイス制度開始前はコーポレートカード等のキャッシュレス決済時に明細データが経費精算システムに連携される場合、領収書の受け取りを不要にすることができました。しかし制度開始後、明細データにはインボイス制度に必要な情報が含まれていないため、キャッシュレス決済時であっても適格な領収書、つまり紙の領収書の受け取りが原則必須になりました*1。コンカーは、インボイス制度の要件を緩和し、キャッシュレス決済を利用した経費精算の場合は適格な領収書の受け取りを不要にすることを提言します。(*1 タクシーアプリなど、一部のキャッシュレス決済サービスでは明細データがインボイス制度に対応しているため、紙の領収書の受け取りは不要)

インボイス制度後の業務変化

 コンカーが実施した「インボイス制度開始後の経費精算の実態調査」では、経費管理者の85.4%と経費申請者の69.4%が、キャッシュレス決済の利用によって軽減された経費精算業務の負荷が、インボイス制度開始後に再び増加したと感じていました。

インボイス制度の経費精算への影響

 なお、インボイス制度による経費精算業務の負担を年間人件費に換算すると、約1兆4045億円となり、日本企業の生産性に甚大な影響を及ぼしていることが伺えます。これは、制度開始前には発生しなかった費用です。

インボイス制度の経費精算への影響_費用

 インボイス制度による経費精算業務負荷の増加を阻止するためには、キャッシュレス決済時に連携される明細データに、インボイス制度に必要な事業者登録番号等の情報を追加する仕組みを整えることが必要です。しかし、経費精算で最も使われているキャッシュレス決済方法であるクレジットカード決済において、明細データに必要情報を追加するためには、全国で約759万*2の加盟店の決済端末や、決済ネットワーク、カード会社、国際カードブランドなどの改修が必要であり、膨大なコストと時間を要するため、実現が難しい状況です。(*2総務省,経済産業省「2020 年経済構造実態調査報告書 二次集計結果【乙調査編】」によれば,クレジットカ ードの加盟店数は,759 万 3784 店とされている。)

クレジットカード決済データのインボイス制度が対応できない理由

 現在、インボイス制度には出張旅費等特例があり、消費税法の観点では旅費に限り適格な領収書が未受領であっても仕入税額控除対象にすることが可能で、適格な領収書の受け取りを不要にすることができます*。また、法人税法の観点では、キャッシュレス決済であれば領収書は不要です。(*3 ただし、会社決済型コーポレートカードでの支払い等会社間取引を除く)

出張旅費等特例による商標受領の特例措置

 これらの状況を踏まえコンカーは出張旅費等特例を、旅費を含む全ての立替経費に拡大し、法人税法と同様にキャッシュレス決済時には適格な領収書を不要にすること、現状では特例の対象外となっている会社決済型コーポレートカードで支払った経費も特例の対象とすることを提言します。

 この提言は、インボイス制度を否定するものではなく、電子帳簿保存法改正によってインボイス制度開始前には実現していた経費精算業務のデジタル化・効率化の原状復帰を目指すものです。コンカーは今後、関係省庁・団体等と協議しながら、日本企業の競争力強化のために、ビジネスパーソンの経費精算業務の負担減少、生産性向上を推進します。

提言

コンカーの執行役員社長である橋本 祥生は、以下のように述べています。

「日本は今後労働人口の減少が懸念されています。人手が足りなくなっていく中で、経費精算のような付加価値を産まない業務を削減することは、日本として早急に取り組むべき重要な課題です。日本の競争力強化、生産性向上のために、私たちは要件緩和の実現を目指し関係各所との対話を進めてまいります」

  • 調査概要

​調査内容

①経費精算申請者に対する調査

対象:従業員100人以上の企業に所属し、営業職についているビジネスパーソン

サンプル数:500

調査方法/期間:オンライン形式、12月中の1週間

調査実施:ネオマーケティング

 

②経費管理者に対する調査

対象:CFO協会所属者

サンプル数:500

調査方法/期間:オンライン形式、12月中の1週間

調査実施:CFO協会

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