経理・総務の豆知識

クレジットカードで支払い、レシートをなくした場合、経費精算はどうすればよいですか?- e文書法/電子帳簿保存法に関する質問

SAP Concur Japan |

e文書法/電子帳簿保存法に関して、よく聞かれる質問とその回答をまとめました。経費支払いの際、クレジットカードを使うこともあると思います。経費精算の際には、通常、領収書が必要になります。クレジットカードで支払った際、その経費精算はどのようにすればよいでしょうか。また、クレジットカードで支払い、レシートをなくした場合は、どうすればよいのでしょうか。以下では、その回答について、みていきましょう。

質問:クレジットカードで支払い、レシートをなくした場合、どうすればよいですか?

回答:クレジットカードで支払った場合、レシートをなくしてしまっても、クレジットカードの利用明細があれば、領収書の代わりとして利用することができます。

経費精算をする場合、通常、領収書が必要になります。それでは、領収書を無くしてしまった場合、経費精算をすることができなくなるのでしょうか。まず、そもそも、領収書として認められているものは、どのようなものなのかをみていきましょう。

領収書として認められるためには、原則として、以下の5つの項目の記載が必要になります。

  1. 領収した日付
  2. 領収した金額
  3. 領収書の発行者の情報
  4. 宛名 ※ただしレシート等は、宛名がなくても領収書として認められるので、必須ではない。
  5. 領収した内容(商品やサービスの内容等。つまり但し書き等)

領収書を無くしてしまっても、レシートがあれば、経費精算をすることが可能です。その理由は、出力されるレシートに上記の項目がすべて書かれている場合が多いからです。

また、手書きの領収書は、恣意的に金額を変更してもらうことができたり、但し書きに「品代として」としか書いておらず、実際には何を買ったのかが分からなかったりする場合もあるなど、不正が起きる可能性がレシートよりも高いと考えられます。そのため、「機械で出力されたレシート」を優先させるケースも増えているでしょう。

同様に、法人カード(法人用のクレジットカード)で支払いを行なった場合は、クレジットカードの利用明細を領収書の代わりとして利用することができます。その理由は、クレジットカードの利用明細に、上記の項目が全て書かれているからです。そのため、クレジットカードの利用明細は、万が一の時に備えて、捨てずにとっておきましょう。

法人カードの利用

法人カードを利用することで、クレジットカード会社からデータで送信される利用明細と、店舗から受領した領収書の画像を紐づけて管理することが可能になります。Concur Expenseをはじめとするクラウド型経費精算システムと、対応するクレジットカード会社の法人カードを組み合わせることで、個々の取引の利用明細が、データとして自分の経費精算に対して送付されます。例えばConcur Expenseの場合、法人カードでタクシーに乗車すると、その利用明細 (日付、金額、利用したクレジットカード番号、取引店名(この場合はタクシー会社名))が、その従業員のIDでログインしたConcur Expense上に送付されます。

Concur Expenseを導入する企業のうち、約7割が法人カードの利用も推進しています。従業員に法人カードを配布し、カード決済が可能な店舗では法人カードの利用を定めています。

電子帳簿保存法を適用する場合、法人カードの利用明細と領収書画像を紐づけて管理することで、第三者によるランダムチェックをせずに紙の領収書を廃棄することが可能です。また、法人カードの利用を推進することで、第三者によるランダムチェックの簡略化だけでなく、カード決済による取引内容の可視化が進み、従業員による経費改ざん等の不正余地のない取引を増やすことができることも挙げられます。

現金で支払い、手書きの領収書を受領する取引では、白紙領収書に自分で金額を書き入れる等、経費精算で不正が横行する温床になりかねません。レジから出力されたレシートを受領し、法人カードによる取引内容の可視化を推進することで、経費精算のガバナンスが向上します。今では法人カードからの利用明細データは決済後3~4営業日で提供されるので、以前のように、支払った日とデータを受領する日の間に、大きなタイムラグは発生しません。また法人口座からの直接引き落としに不安がある場合は、個人口座から引き落とされる法人カードを採用するとよいでしょう。

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クレジットカードでの支払い、法人カードの利用に関する詳細は、「電子帳簿保存法はこう活用する!領収書・請求書電子化完全ガイド」をご覧ください。

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電子帳簿保存法はこう活用する!領収書・請求書電子化完全ガイド

対応要件から実際の実務ポイントまでをわかりやすく解説

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<プロフィール>

細田 聖子(ほそだ せいこ) 公認会計士・税理士

2012年、公認会計士登録。2016年、税理士登録。1999年から香港留学。2003年から2008年まで、上海でOL、日本語教師等の中国勤務。2010年、公認会計士試験論文式試験合格。2012年より、中国深センの会計事務所等を経て上海勤務となるも、2015年、乳がん告知により帰国。日本で治療をしながら大阪の税理士法人に所属。2018年5月に独立し、フリーランスのライターとして執筆活動など様々な業務に従事。

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