導入事例
【2024 SAP Concur Excellence Awards Japan受賞】株式会社 前川製作所様
SAP Concur は毎年、革新的でパーパスドリブンなビジネスを実践するお客様を表彰しています。SAP Concur Customer Excellence Awards は、SAP Concur のソリューションを活用して間接費改革を推進し、企業・組織のプロセスを改善した企業を表彰することを目的とするものです。
2024年12月、2024 SAP Concur Excellence Awards Japanの受賞企業が株式会社 前川製作所様に決定し、贈呈式を行わせていただきました。
受賞を記念し、前川製作所様がSAP Concurを導入するに至った背景、実際の成果などについてご紹介します。
SAP Concurを採用するに至った背景
1924年(大正13年)に前川商店として設立した株式会社 前川製作所(以下、前川製作所)。産業機械メーカーとして、産業用冷凍機やヒートポンプ、食品加工機械の製造と販売、プラントの設計・施工からアフターサービスまで一貫した事業を展開しています。また海外43ヵ国に103拠点を持つグローバルカンパニーです。
前川製作所は2024年に創業100年を迎えるにあたり、あらゆる領域での業務改革を進めていました。その一環として、業務の効率化や生産性を上げるため業務プロセスの見直しを実施しており、経費管理のアナログ運用も課題として上がってきました。excel手入力と紙が前提で、外部連携などの自動化が難しく、また申請された伝票を本社、工場、支店の各経理担当者が膨大な工数をかけて1件1件チェックを行うといった運用だったそうです。
前川製作所の取締役専務執行役員である鳥井原様は
「貴重な人材がこのような付加価値を産まない業務に膨大な時間をかけていることに強い危機感を覚えました」
と言います。
前川製作所は業務改革によって付加価値業務への転換を目指しており、このようなアナログ運用からデジタルへの移行は必須のものでした。また、業務を単にデジタルに置き換えるのではなく、デジタル化と人事制度改革を両輪で進めることも重要と考えました。それにより、これまで属人化・固定化していた業務体系から解放された社員が、自らの能力を高め成長し、戦略課題を解決する人材となっていくことを目指しています。
DXのトップバッターとしてSAP Concurを選択
前川製作所では、経費管理分野の業務改革に関する検討を進めるにあたり、以下の全体指針・詳細指針を策定されました。
■全体指針
・個別最適(支店・工場・部門)から全体最適(全社)の考え方へ変更
・会計業務の効率化を図るために本支店会計制度を廃止するなど経理規定の見直しと運用細則を制定
・システムによる規定チェック機能の活用により業務効率化×ガバナンス強化を実現する仕組み作り
・間接材購買の活用を推進し精算処理をなくす(現金保管の削減)
■詳細指針
1.業務効率化の実現
・手・Excel業務の廃止、業務のシステム化による効率化/ペーパーレス化の推進
・『人がやって当たり前』という固定観念の破壊(チェックレス/承認レス)
・支店(営業所)と本社で重複した業務分担の見直し
2.コンプライアンスリスクの低減
・現金の取り扱い、各種手作業などの廃止・極小化(リスクの極小化)
・事前申請、承認WFなどのコントロールプロセスの整備(チェック体制の整備)
・規程の整備と教育の徹底(ルールの整備・徹底)
3.各種制度変更対応
・インボイス制度への対応
・電帳法への対応
・今後発生する会計制度、法制度の改訂に迅速に対応可能な仕組みの構築
このような軸を持って検討を進められたことにより、本当に必要なことは何かが整理され、本来の目的「付加価値業務への転換・人材の育成」を達成するための導入が可能となったのです。コンカーは5つのレス(キャッシュレス・入力レス・ペーパーレス・承認レス・運用レス(運用高度化))による業務改革をご支援しています。この中の『承認レス』をヒントに、経費業務における『チェックレス』を実現出来ると確信し、DX推進のトップバッターとしてSAP Concurの導入を決定されました。
SAP Concurの導入にあたっては
「自社のやり方にシステムを合わせるのではなく、Fit to Standardを徹底し、そのために必要であれば、経費規定や日当ルールは全て変えて良い」
という方針のもと、プロジェクトが進められました。
また、本社と支店で重複した業務プロセスを是正するため、『人がやって当たり前』という固定観念を破壊し、支店における100名以上におよぶ経理担当者の伝票チェックを全て廃止し、チェックレスで一連のプロセスが完結することを目指しました。
SAP Concur導入の成果
支店ごとの個別最適なやり方から、全体最適の仕組みに移行することで大きな成果をあげている前川製作所。具体的には、本社と支店合わせて100名以上いた、経費精算業務に関わる全社の経理担当者を社内コンカーサポートチーム6名で運用することができています。1件1件やっていたチェック業務も、単純チェックはシステムと監査サービスに任せ、経理部門は必要なチェックを少人数で行う体制に移行しました。また、制度変更の対応は、コンカーのAdvanced Careサービスを活用。前川製作所の環境を理解した担当者が的確にアドバイス、設定変更などの対応をしてもらえるため、大幅な工数削減につながりました。実際に削減された業務時間も11,520時間/年に上り、各支店で経費精算業務を担当していた社員が本業の販売業務の支援に着手するなど、プロジェクトで掲げた目標である「付加価値業務への転換」が進みつつあります。
当初、Concur Expenseから稼働していましたが、2024年にはConcur Travelを稼働し、海外出張の予約・手配から精算までをSAP Concur上で完結できるようになりました。これまで予約手配にかかっていた多数の人手と時間が削減され、利用する社員からも発券までのリードタイムが短くなったことや、出張精算まで一気通貫で実現できることに好意的な反応です。
今後は蓄積されたデータを活用し、出張コストの最適化にも取り組んでいく予定です。
最後に、この賞の受賞にあたり、プロジェクトの成果についてのコメントを鳥井原様よりいただいておりますので、記載させていただきます。
「SAP Concurの導入は当社のDX VISION実現に向けた1st ステップとして非常に大きな役割を果たしています。SAP Concurが提供するテクノロジーを最大限に活用し、様々な先行事例に立脚したベストプラクティスを踏まえて業務プロセスを変革することで、従来業務の景色を根底から変えられると多くの社員が実感したものと認識しています。
この成功体験をベースにし、経費精算業務の一層の高度化を継続しながら、当社が目指すDX VISIONの実現に向けて様々な施策にチャレンジしていきたいと考えています。」
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改めて、前川製作所様、この度のご受賞、誠におめでとうございました!
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