経理・総務の豆知識

面倒な経費精算は本当に「仕方ない」のか?小さな手間を撲滅するためのカギは「外部連携」にある

SAP Concur Japan |

突然ですが、ある会社の営業担当者の1日の行動を追いかけてみましょう。出社後、朝礼を終え、すぐにお客様先に向かいます。会社の最寄り駅からJR、地下鉄、私鉄を乗り継ぎ、午前中に1件、午後に2件のお客様を訪問する予定です。

1件目の訪問を終えたあと、スマホを覗いてみると2件目に訪問する予定のお客様からメールが入っていました。「急で申し訳ないが、新製品の資料と見積書を持ってきてもらえないだろうか」というものです。いったん帰社する時間はないので、カフェに入って見積書を作成し、資料と合わせてコンビニのプリンタから出力することにしました。

素早い対応が功を奏してお客様との話も弾み、新規案件を獲得できそうです。しかし、ふと気づくと予定時間はすっかりオーバーしています。電車では3件目のお客様と約束した時間に間に合いそうになく、タクシーを使いました。

なんとか予定どおりに、すべてのお客様の訪問を終えることがきましたが、仕事はまだまだ終わりません。夜は別の大口のお客様との会食が待っているのです。途中でデパートに立ち寄って手土産も購入し、あらかじめ店に届けておくことにしました。

社員の憂鬱、経理部門のストレス

いかがでしょうか。皆様の会社でもよくある光景だと思います。このように一人ひとりの社員が臨機応変に判断しながら行動することで日々のビジネスは回っています。

とはいえ、社員は少し憂鬱です。コンビニでのプリント代、タクシー代、デパートでの手土産の購入代、会食の店舗への支払いなど、個人で立て替えた経費はかなりの金額に上っています。

早く精算してもらうには経費として申請しなければなりませんが、その手続きが面倒なのです。紙の領収書1枚ごとに事由を示さなければなりません。タクシー代については、乗車した日時や理由を明記する必要があります。また、仮に会食や手土産の費用が会社の規程を超えてしまった場合、お客様側の出席者の役職なども明記してその正当性も示しておかなければなりません。外出の多い営業担当者は、経費精算のためにオフィスに戻って残業し、こうした申請書類をまとめているのが実態です。
一方、社内の経費申請を一手に引き受けて処理している経理担当者の苦労も相当なものです。経理部門は、不正請求を防ぐ事実上の“最後の砦”です。ですから、領収書が添付されているか、必要項目がきちんと記載されているかといった種類の体裁をチェックするだけでなく、その中身までしっかり精査しなければなりません。不明な箇所があれば、直接本人に問い合わせる必要があり、頑張って仕事をすればするほど現場から煙たがられるという具合で、ストレスはたまるばかりです。

そうした経費申請・承認処理も立派な仕事の一部。ビジネスパーソンの常識として、文句を言わずにしっかりこなさないといけない――。そんなふうに思い込んでいるとしたら、大きな間違いです。

そもそも業務にかかる経費は、社員に立て替えさせる筋のものではありません。経理部門にしても不正な経費使用の防止は本来の仕事ではなく、ガバナンスを効かせるのは現場のマネジメントの役割のはずです。それをなし崩し的に社員や経理部門に依存しているのが、現在の状況なのです。そして何より、経費申請・承認処理にまつわる煩雑な作業を削減することができれば、残業を減らすなど人件費の節約にも大きく貢献します。

これからは「面倒でない経費精算」の時代に

確かに、以前は経費精算を合理化しようにも適切な方法がありませんでした。世の中に経費精算・管理のツールは数あれども、社員や経理部門に一定の負担を強いるのは仕方ない面がありました。しかし、現在は違います。世の中に登場しているさまざまなサービスを、経費精算ツールと連動させることができるのです。
たとえばJapanTaxiが運営している「全国タクシー」というサービスを使えば、スマホアプリから配車を依頼し、料金をコーポレートカードで決済し、支払うことができます。利用した日時や金額も正確に残ります。

「駅すぱあと」を提供しているヴァル研究所の「RODEM」を利用すれば、スケジューラーおよび訪問先情報から自動的に経路を検索し、あらかじめ経費を算出することができます。あわせて名刺管理サービスの「Sansan」を利用すれば、社員が集めてきたお客様の名刺をもとに、訪問先情報も自動的に登録することができます。

また、お客様との会食における同席者情報も名刺管理サービスの「Sansan」と連携すれば、役職名や漢字なども間違いなく登録することができます。

もちろん、まだ手書きの領収書を処理しなければいけないシーンも多くあります。その処理を大幅に省力化できるのがクラビスの「STREAMED」というサービスです。領収書をスマホで撮影するだけで経費に関する情報がデータ化され、自動仕訳が行われます。クラウドの向こう側ではOCR(デジタルの文字認識)ではなく、トレーニングを受けたオペレーターが目視で対応しているため、99.9%の読み取り精度が保証されています。

Concurは、上記に紹介したサービスはもちろん、これらも含めてすでに20種類以上の外部サービスと連携させることができます。各サービスから取得した経費情報は、そのまま自動的にConcurに登録され、精算処理を行うことができます。つまり、先ほどの営業担当者は、サービスを利用していれば、経費精算のためにタクシーや会食などにかかった金額や日時などをシステムに入力するという手間はほとんど必要ないのです。

このように外部のさまざまなサービスと連携していくことで、経費精算に関わるあらゆる業務の自動化を目指していくのがConcurのコンセプトです。こうしたオープンプラットフォームで連携する仕組みがあれば、経理部門や従業員の負担を軽減すると同時に、経費が発生する一連のプロセスをデジタル化することで可視化し、ガバナンスを強化することができます。面倒で非生産的だった経費精算を、スマートなものに変えることができます。

オープンプラットフォームで連携する個々のサービスについては、オープンプラットフォームチームのメンバーが、今後ブログでご紹介します。楽しみにしていてください。

 

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