人事評価制度は3ステップで作れる!企業も従業員も120%の満足度
「従業員も増えてきたし、そろそろうちも人事評価制度を作らないとなぁ」このような悩みを抱える経営者や人事担当者に、3つのステップから人事評価制度を組み立てる方法を紹介します。企業を応援してくれる助成金もあるので、従業員や会社の成長のために必要な人事評価制度を作成してみましょう。
なぜ必要?「人事評価制度」
なぜ人事評価をしっかりと制度化しなければならないのでしょう? 自分の「人を見る目」を信じて評価してはいけないのでしょうか? そう考える、直観重視でけん引力のある経営者もいるかもしれませんね。しかし、そこにはちゃんと理由があるのです。その理由と、人事評価制度によって何が変わるのかを見てみましょう。
人事評価を制度化しなければならない理由
リクルートマネジメントソリューションズが行った、人事評価についてのアンケート調査があります。
この調査は、人事評価制度を導入している企業の社員を対象に行ったものです。このなかで、人事評価制度を重視していると答えた人は約8割と、人事評価制度を意識して働く人が多いことが分かります。
しかし一方で、人事評価制度に対し不満があるとした人は全体の約半数と、制度について何かしら満足できていない点がある人もいるようです。
その理由として最も多く挙げられたのが、「人事評価制度のあいまいさ」。
何をすることで評価されているのか不明で、評価基準があいまいだといった点が対象者たちの不満につながっているようです。アンケート内容のような意識動向は、これから人事評価制度を作るときに、どのようなことに気をつければよいのかのヒントになります。
人事評価制度によってここが変わる!
ではここで、人事評価制度はどのような目的で実施され、どのような効果があるのかを考えてみましょう。
上記のアンケートからも、社員のモチベーションを向上させる効果があるのはもうお分かりですね。適切な基準と方法で評価されることは、社員の働く意欲につながります。
次に、社内リソースの最適化という効果があります。人事評価制度は、客観的かつ適切な人事評価によって、人材を適切に配属・配置すること、つまり適材適所を目的とします。人事評価制度は、社内リソースのうち最も重要な人材を有効活用できるよう整える役割も持っているのです。
そしてもうひとつの効果として、企業の方向性や経営理念を社員一人ひとりに浸透させるという効果があります。社員たちは評価の項目や基準を知ることで、企業がどのような人材を求めているか、どういった働き方によってどのような方向を目指しているかを感じることができるのです。
もちろんそのためには企業が明確な方向性を持ち、それが評価基準として反映されている必要があります。
人事評価制度を作るとき必要な3つのステップ
実際に人事評価制度を作るときには、次の3つのステップを順に考えていけば、有効な制度を作ることができます。
1. 何を評価するのか―評価基準
「何を評価するか」、評価基準を最初に考えてみましょう。
- 目標を明確にして職務に取り組む能力
- 業務遂行のために持ち合わせている知識と技能
- 持っている知識と技能を発揮できる能力
- 企業の一員として職務に取り組む姿勢
このような項目で評価基準を作っていきます。また、持ち合わせている知識や技能、それをどのような場面で発揮できるかといった評価項目は、企業の方針や理念に合致しているか、定期的に見直す必要があります。
2. どうやって評価するのか―評価方法
評価基準が決まったら、次に評価の方法を考えます。
- 評価を行う範囲の選択と範囲外(職務外の行動・伝聞・評価期間外)を対象としないことの明示
- どの評価基準がどの評価方法によって評価されるのかを選択
- 評価の点数またはランク付け(A・B・Cなど)を決める具体的基準を定める
- 評価期間と評価の反映時期についてサイクルを設定
このように、評価の方法を明確にしておくことで、社員たちが満足できる人事評価制度を作ることができます。
3. 評価結果をどうするのか―評価反映
そして最後のステップでは、評価をどのように反映するのかを決めていきます。
- 視覚的にイメージを持ちやすいよう昇級の流れを図にして公開する
- 昇級基準と降格基準を設定する(ただし降格の判断基準はより厳密なものに)
- 各等級に適した給与・賞与の表を作る
評価が確実に反映されることを知れば、モチベーションが向上するのはもちろんのこと、人事評価制度に対する満足度も上がります。
このような3つのステップを順に追うことで、適切な人事評価制度を構築することができるのです。
人事評価制度を応援する助成金
人事評価制度の整備を応援する助成金というのも、実は存在しています。厚生労働省による「人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)」では、受給要件となる以下の制度整備を実施、および目標を達成した場合に、最大130万円の助成金を受けることができます。
- 人事評価制度等整備計画の作成と認定
- 人事評価制度の整備
- 生産性伸び率の向上
- 労働者の賃金総額の向上
- 離職率の低下
この助成金は、生産性の向上と人材の確保を目的としたものです。これから人事評価制度を作ろうという経営者の方は、ぜひ一度確認してみてください。
まとめ
成長企業の経営者にとって、人事評価制度は従業員の成長を助け、会社の成長につなげていくために必要なものです。難しく考えず、今回紹介した3つのステップを参考に、社員たちの満足する人事評価制度の構築を目指してみてはいかがでしょうか。
参考: