経理・総務の豆知識

請求書管理とは?基本と業務フロー、保管期間を解説!

SAP Concur Japan |

請求書管理は、企業にとって非常に重要なミッションです。というのも、請求書は企業の活動実態を示すものであり、税法上でも重要な書類であるためです。しかし、請求書の管理や処理業務は、突き合わせて入力したりチェックをしたりという手間がかかります。それだけではなく、紙の業務が多いためオフィスに行かなければ業務にならないということ自体も近年課題として挙げられています。今回の記事では、そんな請求書管理の基本や重要性、請求書の保管期間、業務のフローと効率化する方法をご紹介します。

 

そもそも、請求書管理はなぜ重要なのか​

請求書をはじめとする帳票の管理は、企業活動を記録し、実態を把握するための基本となります。請求書は、売り手と買い手の間における金銭のやりとりを記録し、取引があったことを証明します。請求書が正しく処理されることによって、必要な金額が動いたことが記録に残り、未払いや二重払いの防止につながるため、取引の実態を記録することは、トラブル防止にもつながります。

 

請求書管理の基本

請求書は、いつ・だれが発行するのか

請求書を発行するのは、一般的には取引を行った営業部門か、経理処理を行う経理部門のどちらかです。どちらが発行するのかは、企業によって異なります。

請求書を発行するタイミングは先方と相談して決めることができますが、顧客側の締め日に合わせるのが一般的です。納品後に受領書をやりとりする場合は、受領書を受け取り後に請求書を発行します。請求書は、取引のたびに発行する都度方式と、定期的に発行する掛売方式があり、掛売方式は定常的に継続的な取引がある場合に利用されます。発行のタイミングが決算の境目にあたる場合は、取引を行った期の日付で発行します。

請求書の保管期間は?

保管期間には税法上の規定があり、発行した請求書の控えや受領した請求書は、法人の場合7年間、欠損金の繰越控除適用は10年間の保管が必要です。

ここでいう7年間とは、請求書の発行日や受領日から7年間ではなく、「事業年度の確定申告の提出期限の翌日から7年間」と定められていることに注意が必要です。法人の確定申告の提出期限は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内と定められています。例えば、3月決算の法人の場合、確定申告の提出期限は5月末になりますので、5月末から起算して7年間が請求書の保管期間となります。

また、個人事業主の場合は青色申告か白色申告かに関わらず、保管期間は5年間と定められています。この場合も、請求書が発行された年の確定申告の提出期限の日から数えて、5年間が保管期間となります。なお、個人事業主であっても消費税課税事業者の場合は、7年間保管する必要があります。

規定の保管期間が過ぎた請求書は処分可能ですが、請求書には、社名や個人名、銀行口座などが記載されているため、必ずシュレッダーにかけて処分しなくてはなりません。

 

請求書管理の業務フローは?

では、実際に請求書を受けとったとき、どのように業務が行われるのでしょうか。ここでは紙ベースでの請求書受領における従来のフローをご紹介します。

1.紙の請求書を受領する

取引先から発行された請求書を受領します。

2.請求書の内容を確認する

発行された請求書を目検し、金額や発注内容の記載が正しいかを確認します。

3.  請求書の内容をエクセルなどに入力する
エクセルや会社のシステム等に請求書のデータを入力します。発注番号も忘れずに!

4.請求書の原本を提出する
紙の請求書に、伝票番号などを記入し、上長の在席を確認して提出します。

5.上長が請求内容を確認し、押印等を行って承認する
紙の請求書原本を受け取り、内容を目視でチェック。必要があれば押印をして承認します。月末月初はこのためだけにオフィスに行く必要もあります。承認された請求内容は経理へ渡ります。

6.経理が請求書の内容を確認し、承認する
経理でも間違いがないかの確認を行い、問題がなければ承認されます。

7.支払いサイトに応じて取引先への振り込みが行われる
翌月末払いなど、契約した支払いサイトに応じて振り込みが行われます。

8.請求書原本は経理にて原本を最低7年間保管する
振り込みの済んだ請求書は、ファイリングを行って保管します。期間は最低7年です。

 

請求書管理の業務フロー、落とし穴がいっぱい!?

先ほどご紹介した請求書管理のフロー、たくさんの落とし穴があるんです…。

1.紙の請求書をオフィスで受領

→オフィスに必ず出社しなければならず、働き方の多様化や、災害時や感染症の発生時における従業員の安全配慮が必要に。

2.請求書の内容の目検、手入力

→目検、手入力におけるミスが発生。手間がかかるのはもちろん、コンプライアンスや不正の元に。

3.原本をファイリングしての保管

→細かな集計が容易にできずブラックボックス化。監査対応も煩雑なものに…。

 

手間のかかる請求書管理業務。これをもっと簡単にする方法は?

請求書の処理や管理は多くの手間がかかり、面倒な作業です。そのうえ、法律上の細かな規定を守らなくてはなりません。さらに、7年間という長期に渡り請求書を保管しなければなりません。業務システムを導入すると、請求書の関連業務を軽減して効率化できるだけでなく、電子化で長年の保管にかかるコストも省けます。

Concur Invoice なら、先ほどの3つの落とし穴も解消可能!請求書で支払う経費の可視化・管理が可能に。電子請求書の利用によるペーパーレス・入力レスの実現や、発注内容・納品情報・請求書の自動突合による負荷減少に加え、購買申請時の予算超過チェックなども実施できます。また、システムとしてデータを保管するのため、集計や検索も容易になり、分析やスマートな監査対応が可能になります。

もちろん電子帳簿保存法にも対応。請求書管理をなんとかしたい!そんな企業の皆さまは、ぜひご検討ください。

※この記事は、2021年3月に公開した記事を加筆したものです。

 

<監修>

細田 聖子(ほそだ せいこ) 公認会計士・税理士
2012年、公認会計士登録。2016年、税理士登録。1999年から香港留学。2003年から2008年まで、上海でOL、日本語教師等の中国勤務。2010年、公認会計士試験論文式試験合格。2012年より、中国深センの会計事務所等を経て上海勤務となるも、2015年、乳がん告知により帰国。日本で治療をしながら大阪の税理士法人に所属。2018年5月に独立し、フリーランスのライターとして執筆活動など様々な業務に従事。

 

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