経理・総務の豆知識
出張費精算とは?その対象や処理方法、電子帳簿保存法対応について
出張した際には、かかった経費を出張費として経費精算します。特に、社員の出張が多い会社の場合、出張費精算の時間や労力は多くなる傾向にあります。以下では、出張費とは何か、出張費精算の対象や処理方法、また、電子帳簿保存法対応についてみていきましょう。
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そもそも出張費とはどんなもの?何が含まれるのか?
そもそも、「出張費」とは何でしょうか。また、「旅費交通費」と「出張費」は何が異なるのでしょうか。「旅費交通費」とは、会計の勘定科目の一つで、「出張費+交通費」のことです。会社によって異なりますが、通常、自宅から会社までの通勤費用や電車代やバス代などの「交通費」と「出張費」を合わせて旅費交通費として処理しています。
「出張費」とは、社員が業務に関連することで遠隔地に行く際にかかる費用のことです。遠隔地とは、一般的に首都圏などの範囲を超える場所を指します。出張費には、新幹線代や航空チケット代、宿泊代などが含まれます。また、出張費には、原則として、出張に関する費用全てが含まれるため、空港までの交通費や、出張先でのタクシー代、出張手当なども含まれます。さらに、車で出張した場合には、車の駐車場代、ガソリン代なども含まれます。
具体的には、以下のものが含まれます。
- 新幹線代
- 航空チケット代
- 宿泊費
- 出張手当
- 出張する際の空港や新幹線駅までの交通費
- 出張先でのタクシー代 など
電子帳簿保存法の対応が必要な経費は何か?
電子帳簿保存法に対応した場合、電子的にもらった領収書と紙でもらった領収書では対応が異なってきます。領収書でも、昨今ではネット上で購入した商品の領収書をWebサイトからPDFファイルで入手できるケースが増えてきました。
PDFファイルは、「電子領収書」と呼ばれ、電子帳簿保存法においては、原則として、そのままPDFファイルの状態で保存しなければなりません。出張費においては、ホテルや航空チケットなどをネットで予約・購入し、領収書をWebサイトからPDFで入手する場合などが該当するでしょう。
一方、紙で受領した領収書は、スキャン、或いはスマートフォンで撮影するなどし、領収書を電子化する処理が必要になります。出張費において対応が必要な紙の領収書には、宿泊代の領収書、タクシー代の領収書などがあります。
また、出張費に該当する電車代などの領収書はどうなるでしょうか。会社によっては、社内規定により「〇〇駅から××駅まで」といった内容を記載した「出張精算書」などの書類を提出した場合、これらの領収書を不要としている場合もあります。
電車代などの場合、Suica / PASMO などのICカードを利用する場合も多いでしょう。経費精算・経費管理システムにConcur Expenseを利用する場合、ICカードとの自動連携が可能になっています。ICカードを読み取り端末にタッチすると、利用区間・運賃・日付情報が Concur Expense に自動的に取り込まれます。また、業務外の経費情報は個別に除外でき、定期区間内で重複する運賃も自動で控除されます。また、コンカーとJR東日本などとの経費精算自動化の実証実験が進めば、読み取り端末も不要で経費入力が自動化されることが期待されています。
領収書電子化のルールと方法
出張費の領収書を電子化する際のルールや方法は交通費の領収書の電子化と変わりません。「交通費精算とは?その対象や処理方法、電子帳簿保存法対応について」をご確認ください。
Concur Expenseでの領収書処理の詳細は、「電子帳簿保存法はこう活用する!領収書・請求書電子化完全ガイド」をご覧ください。
【関連記事】交通費精算に新幹線の領収書は必要?領収書の入手方法は?
<プロフィール>
細田 聖子(ほそだ せいこ) 公認会計士・税理士
2012年、公認会計士登録。2016年、税理士登録。1999年から香港留学。2003年から2008年まで、上海でOL、日本語教師等の中国勤務。2010年、公認会計士試験論文式試験合格。2012年より、中国深センの会計事務所等を経て上海勤務となるも、2015年、乳がん告知により帰国。日本で治療をしながら大阪の税理士法人に所属。2018年5月に独立し、フリーランスのライターとして執筆活動など様々な業務に従事。
(執筆:細田聖子/企画編集:野田洋輔)