経理・総務の豆知識
出張費とは?相場を見たうえで節約のポイントを解説~次世代経理を目指す~
ひと口に出張費といっても、その内容は交通費や宿泊費・雑費・日当(手当)などさまざまですが、これらを総称して出張費と呼びます。企業にとって気になる出張費の概要・相場を見たうえで、出張費節約や経理業務を効率化するポイントについて解説します。また、出張費にかかる精算業務を効率化するコツも紹介します。経費節減や経理部門の負担軽減を検討している企業の担当者様は、ぜひ参考にしてください。
出張費用に関する記事はこちら:
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出張費とは?
「出張費」とは、企業が出張をする社員に対して支払う交通費・宿泊費・食事代・日当(手当)などの総称です。食費や日当などを「出張手当」、交通費や宿泊費を「旅費交通費(もしくは出張経費)」として分ける場合もありますが、基本的にはどちらも出張費として経費処理を行えます。
出張に対して日当が支払われるのは、普段とは異なる業務を行うことによる精神的疲労、長時間移動による肉体的疲労をねぎらうのが主な目的です。ただし、交通費や宿泊費のみを支給し、それ以上の支給は行わない企業も少なくありません。食事が経費に含まれるかは企業次第ですし、食費等が経費になる場合も「実費精算」や「日当に含まれる」など、取り扱いは企業ごとに異なります。なお、取引先との食事であれば、その支出は接待費や交際費に該当する場合が多いでしょう。
出張費の相場は?
出張費のうち、食費や日当などの「出張手当」と交通費や宿泊費などの「旅費交通費(出張経費)」のそれぞれについて相場を紹介します。
- 出張手当の相場は?
出張手当の相場は、出張する社員の役職によって異なります。部長、社長など役職が上になるほど、出張手当は高くなるのが一般的です。ただし、国内1日当たりの出張手当相場は2,000~3,000円程度であり、役職が違っても差額は最大で1,000円程度と、それほど大きな差はありません。
- 旅費交通費(出張経費)の相場は?
出張にかかる旅費交通費は、主に宿泊費と交通費です。これらは実費精算で支払う場合と、日当で支払う場合があります。ただし実費精算の場合でも、金額を考慮せず自由に宿泊先を選択できるわけではありません。相場を踏まえて宿泊費の上限額を定めている企業がほとんどです。
宿泊費の相場は国内の場合でおおむね、1万円前後です。役職のない社員であれば8,000~9,000円程度、課長クラスでもプラス1,000円程度が相場です。
交通費については利用する席のグレードによって価格が変わりますが、ハイグレードな席を利用できるかどうかも、役職によって左右されるケースが多いです。例えば新幹線移動の際、役員であればグリーン席利用を許可される企業が半数近くに上るようですが、それ以下の役職は許可されていないケースがほとんどです。
なお、一般的に出張時の交通費は、出張先と自宅の往復に加え、出張先での移動で使用する電車、バス、タクシーの料金も含みます。
出張費を減らすための方法
出張には、旅費交通費以外にも宿泊費、雑費などさまざまな経費がかかります。ここでは出張にかかる経費を減らす方法について見ていきましょう。
出張の回数や人数を検討する
出張費を減らすうえで最も効果的な方法は、出張自体の回数を減らすことです。例えば、Web会議システムを活用し、事前の顔合わせやおおまかな打ち合わせを済ませておけば、従来は複数回出張に出ていたところを最終的な詰めの1回で済むでしょう。また、2人で行っていたところを1人はWeb会議システムでの参加にすると、1人分の出張経費が削減可能です。
ただし、やみくもに出張を減らすことで、ビジネスチャンスを失ってしまっては意味がありません。状況に応じ、本当に出張が必要か、複数人で行く必要があるかを検討するようにしましょう。
旅費や宿泊費の早割を活用する
どうしても急を要する出張以外は、早期に出張計画を立てて交通費や宿泊費の早割制度を活用します。頻繁に同じ場所へ出張する場合は、交通機関の回数券を購入すればさらに交通費の削減が可能です。
旅行会社と法人契約を締結する
業務内容によってはWeb会議だけでは難しく、どうしても対面での打ち合わせが必要になる場合もあるでしょう。その場合は旅行会社と法人契約を締結するのもおすすめです。出張実績を積めば、交渉によっては運賃や宿泊費を割引で利用できる場合があり、出張費削減につながります。
煩雑な精算業務はシステムの導入で解決
出張費を減らすと同時に考えたいのが、煩雑な精算業務の効率化です。出張が減れば単純に精算業務も減りますが、より効率化を進めるにはシステムの導入をおすすめします。具体的なシステム導入のメリットは、次のとおりです。
経費精算システムを導入するメリット
- 経費精算に関わる業務のデジタル化が果たせる
経費精算システムの導入によりデジタル化が進みます。その結果、法人カードや外部アプリとシステムとの連携も可能になり、ペーパーレス、キャッシュレス、入力レスなど、大幅な業務効率化が可能です。
- 法人カードを作成する
法人カードを作成することで、精算業務の効率化に繋がります。例えば出張旅費の場合、従業員の仮払いや立替精算などがなくなります。また領収書なども不要になるため、請求漏れのリスクなども解消できます。業務の効率化に役立つ機能が多いため、ぜひ導入の検討をしてみてはいかがでしょうか。
※なお、効率的な精算業務を行う方法についてより詳しくは、「旅費精算の煩雑さを軽減し、効率的な精算業務を行うためのポイントを解説」をご覧ください。
- 領収書の保管管理にかかる手間の軽減が可能
経費精算システム導入でペーパーレス化が進めば、紙の領収書を保管管理する手間も軽減されます。紛失するリスクも軽減されるため、出張する社員も安心して業務に集中できるようになるでしょう。
出張管理システムとの連携でさらなる効率化が実現
出張関連業務をさらに効率化するには、出張管理システムとの連携がおすすめです。SAP Concurが提供する出張管理システム「Concur Travel」や旅程アプリ「Triplt Pro」を活用すれば、経費精算レポートの簡素化や効率化はもちろん、アプリを使った出張の手配や予約、旅程変更の確認、出張プランの共有も可能です。
また、出張先では思わぬトラブルが発生する可能性もあり、急に滞在期間を延ばさなくてはならない、予定していた交通機関を利用できない、といったケースも少なくありません。その場合、従来であれば電話やメールで上長に連絡を取って承認要請する必要がありましたが、モバイルアプリを活用すれば承認業務もスマートフォンで行えるようになります。
出張管理システムと経費精算システムの連携により、デジタル上で申請・チェックができるようになるうえ、出張先で急に経費が必要になった場合でも迅速な対応が可能です。
出張経費の精算業務は経費精算システムで効率化を図るのがおすすめ
出張費とは、交通費、宿泊費、食費、雑費、日当など出張にかかるすべての経費の総称です。出張費の削減を検討している企業は、今回紹介した相場や節約の方法を参考に削減を実践してみましょう。また、出張費そのものの削減とともに、精算業務の効率を上げることも重要です。
種類の多い出張費のすべてを領収書ベースで実費精算とした場合、出張した社員は領収書の管理が必要になり、経理担当者はすべての領収書を精査・処理をしなくてはなりません。
経費精算システムを導入すれば、経費精算業務の負担軽減が行えます。
さらにコンカーが提供する出張管理システムを組み合わせれば、出張手配から精算までを一括で管理でき、大幅な効率化が可能です。
特に出張が多い企業では、出張に関する領収書の処理だけでもかなりの手間と時間を要すため、経理担当者の負担増大は免れません。出張経費の処理にかかる多大な手間にお悩みの際は、出張を減らす方法の実施と同時に、経費精算システムと出張管理システムの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。