電子帳簿保存法・インボイス制度

電子帳簿保存法の新通達:相互けん制ができれば、3日過ぎても領収書受領者本人が電子化してOK!自署も不要に

Hiroaki Funakoshi |

日ごろ弊社のお客様と、領収書の電子化についてお話をする際に、「ブログ、読んでいますよ。」とお声がけいただくことが多くなりました。大変うれしいことであり、一方では、電子帳簿保存法のスキャナ保存への対応のご検討を開始していただいているお客様が増えた、ということになるかと思います。

さてそんな中、2017年6月21日に国税庁より、領収書受領者本人が領収書を電子化することについて、新たな通達が示されました。
「『電子帳簿保存法取扱通達の制定について』の一部改正について」(法令解釈通達)

この通達により、領収書受領者がスキャンをした場合でも、

  • 領収書受領者以外の者による相互けん制(紙の領収書と画像を見比べて、改ざん等がないことを確認。以降「確認行為」)を行えば、
  • 3日以内ではなく、最大1か月+1週間以内(業務処理サイクル方式に沿った場合)にタイムスタンプを付与すればよい。
  • その場合は自署も不要。

ということになりました。

これまでも、国税局の担当者によっては、「3日間を過ぎても、スキャナ操作自体は、領収書受領者本人が行ってもよい。しかしながら、確認行為自体は他の人が行う必要がある」という見解を出していたケースもあり、この通達によりその見解が公式なものになったと言えます。

なお、領収書受領者本人がスキャンをしたが、3日間以内にタイムスタンプが付与されなかった領収書については、それに該当するすべての領収書について、他人による確認行為を行う必要がありますので、ご注意ください。

本通達に関する詳細な説明は、刷新された、新たな電子帳簿保存法Q&A(スキャナ保存関係)の一問一答の、問32に記載されています。

また、この場合も「特に速やかに行う方式」と同様、領収書受領者本人が撮影・スキャンしているため、「紙の大きさ情報は不要」となります。
よって、スマートフォンにて撮影が可能であり、わざわざスキャナを利用する必要はありません。
この点は、特に外出の多い営業担当者等にとっては、大きな恩恵となるでしょう。

【新たな通達のポイント整理】
①    受領日翌日から3日間過ぎても、領収書受領者本人が撮影・スキャンしてもよい
②    該当する領収書はすべて、本人以外の人が、紙の領収書と画像を見比べる必要がある(相互けん制を行う)
③    その場合、領収書に自署する必要がなくなる。(業務処理サイクル方式等に則ることになる)
④    加えて、撮影・スキャンを領収書受領者本人が行う際は、大きさ情報の保存は不要(スマートフォンでの撮影が可能)


3日間過ぎて電子化を行う領収書については、領収書受領者本人以外の人による確認行為が徹底できれば、自署せずともスマートフォンで撮影してもよいということになりますので、これまで領収書電子化開始に向けての「高いハードル」と考えられてきた、「3日間」「自署」という点が、ある程度解消された、とも言えます。
とはいえ、経理部や上司などが紙の領収書と画像を突合確認する負荷がかかりますので、運用を考える際は、どちらが会社の状況に合うか、ご検討いただければと思います。

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また領収書電子化をするための手順や注意事項をまとめた領収書電子化完全ガイド税務署申請書類の記入例もダウンロード可能です。
是非貴社の領収書電子化にお役立てください。
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