SAP Concur は、なぜ新しいユーザーインタフェースへ 今、進化させるのか?
2022年より、 Concur Expense & Concur Requestの画面デザインが順次、新しいものへと生まれ変わります。今回は実際の画面をご紹介しながら、本プロジェクトの狙いや背景、そして目的などを製品担当者にお聞きします。
(聞き手:柿野、製品担当:神戸)
柿野:SAP Concur のユーザーインターフェース(UI)のデザインが今年から来年にかけて大きく変わるとお聞きしています。その背景を教えていただけますか?
神戸:UIの作り方はその時代の最新技術や社会的、あるいは法律的な要請で常に進化し続けます。その当時は使いやすくても、機能を増やしたり、ブラウザが変わったり、技術や開発ツール、デザイン手法も進化していくので、そのままではさまざまなところに無理が出て、建物で言えば、増築に改築を加えて、構造上は問題なくとも、なんだか不思議な建物となり、違和感があるということはあると思います。折を見てきちんと建て直す必要がある。これが背景です。
柿野:奇妙な建物確かにありますね?意外と風情もあったりしますけど、、、(笑)
神戸:長年、住んでいると愛着も湧いてきますよね。ただ、初めて触れる人だったり、言葉が違ったり、視覚など障がいのある方も使いやすく、となると、グローバルで多様性に十分対応できるユニバーサルなデザインをベースとした、抜本的なリニューアルが必要になってきます。各国の事情や要望は機能レベルで吸収されるというのがベストな姿だと思いますし、従来のお客様にもより満足いただけるものになっています。
柿野:なるほど。ユニバーサルで、多様性というとiPhoneなんてそうですよね。触れば誰でもなんとなく、操作できる。説明書もたぶんないですよね。
神戸:その通りです。SAP Concurの新しいUIはまさにそんな操作性を目指しています。親会社のSAPも基幹システムで多機能と操作性のバランスに長らく試行錯誤を繰り返した経験もあり、SAP Concurの今回の新しいUIデザインや開発にもその経験が活かされています。SAPの UI&UX開発チームと共に、数多くの様々な国のお客様とインタビューを繰り返し、要望をデザインレイヤーと機能レイヤーに分け、整理、マッピングしながら、最高のユーザーエクスペリエンスを目指し、開発をし続けています。
【新しいUI】領収書が大きく見やすくなり、入力項目もわかりやすく。
柿野:機能だけでなく、UIも進化し続けるというのはとても魅力的ですね。でも、日本人は、海外の人に比べるとグラフィカルで繊細な情報を求めているように私は思うのですが、特に日本特有の機能はどのようにグローバル化させているのですか?
神戸:そこは気になるポイントですよね。日本は海外に比べると鉄道網やバス網が発展し、他の路線への直接乗り入れもあり、かつ、時刻通りにほぼ運行される、という世界に類を見ない複雑な公共交通機関網を有する国です。このような複雑性の中でも、日々皆さんが困らずに鉄道やバスを利用しているのは、そもそもデザインに配慮があるということもあるんです。
柿野:フムフム、面白くなってきました。
神戸:東京で走っている丸ノ内線は案内図や駅で赤い丸で表現されていて、その色と形でほとんどの日本人は移動時に目的のホームや乗る電車の見分けをしています。また、切符と交通系ICカードで料金が違いますし、乗り換えの駅が違うとこれも料金が変わるので、今度は乗り換えの駅名が気になってくる。このように日本人にユーザー調査をかけていくと、今まで認識できていなかった、どの経路で移動したかを瞬時に判断する為に重要なポイントが明らかになってきます。一方で他の国でも同じようなユーザー調査をすると似たようなケースがあることもわかりました。そのようなポイントを整理しながら、議論を重ね開発に活かしています。
【経路検索画面】経路の種類や路線別で色分けされている
柿野:世界中でユーザー調査を行い、利便性が上がるシステムが出来上がっていくなんてすごいですね!
神戸:そうなんです。オンプレミスと違い、クラウドシステムはグローバルの最新のトレンドを反映させる工夫と努力をするので、昨今ではSDGsやアクセシビリティといった点に配慮できる製品戦略を展開しています。また、コンカー自身も世界の最新技術を取り入れながら開発をすることで、技術者の採用と技術力向上に繋げられ、持続的な社会創造に貢献できる。私のような製品マーケティング部門のスタッフも、より自分ごととして、開発部門とエキサイティングな仕事ができるというメリットもあります。
柿野:なるほど。でも、私みたいにやや風情のある建物、昔のUIの方がいいなぁと思う人もいると思うのですが、新しいUIの方が良いというわかりやすい結果などありますか?
神戸:新しいUIは表示される文字の行間が広く、領収書画像も大きく表示させることで、経費入力時間は35%ほど減少しています。また、接待などには同席者の入力が必要ですが、この作業も20%クリック数が減少しています。さらに、エラーやメッセージの出し方にもかなりの工夫をしており、次に何をしなければならないのか?が格段にわかりやすくなっています。
柿野:へぇー、すごいですね。でも、全社員に心地よく使って欲しいと思えば、やっぱり新しい操作マニュアルの用意はしないといけませんよね?
神戸:それは、もしかするとちょっと発想を変えてもいいかも知れません。従来は業務システムというとマニュアルを作って教育、という形でしたが、画面を見れば、正しいナビゲーションがあって、それに従って入力して作業を終わらせることができる。新しいツールもたくさん出ていますし、私たちもより使いやすい製品開発を続けていきます。さらに言えば、今回のUI変更をお客様の業務をよりシンプルにするというきっかけと捉えてもいいかもしれません。
柿野:確かに似たような経費タイプが並んでいると経理部門は管理しやすくても、社員は選びにくいし、承認の必要数も減らせると上司へのお伺いの数も減りそうです。
新しいユーザーインタフェース楽しみになってきました!
神戸:よかったです。皆さんのお手元に早く新しい製品体験をお届けできればと思っています!
【変更ポイントに関する詳細はこちらのブログをご確認ください】UI刷新でConcur Expenseがますます便利に!変更の狙いと主な変更点をご案内
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