経理・総務の豆知識

領収書、スマホで電子化やってます!コンカーの電子帳簿保存法活用事例

Chika Ando |

平成28年度の電子帳簿保存法のスキャナ保存制度の規制緩和により、スマホで領収書の電子化が可能となりました。その影響が顕著に表れているのが、スキャナ保存制度の累計承認件数です。国税庁の統計情報によると、2017年6月末までに「スキャナ保存申請」が提出されて、「承認」された件数の累積が1050件となり、前年比で約3倍となっています。 

  累計承認件数
平成24年度 120
平成25年度 133
平成26年度 152
平成27年度 380
平成28年度 1050


弊社のお客様からも、領収書をペーパレス化したい、従業員を糊付けから解放して生産性を上げたい、などの声を多数お聞きします。しかしながら、電子帳簿保存法の対応を自社始めるにあたり、業務フローがどのように変わるのか?現場へのインパクトがどのぐらいあるのか?という疑問も湧いてきます。

そこで、今回はコンカーの領収書電子化の電子帳簿保存法対応について、ご紹介したいと思います。
 

電子帳簿保存法についてより詳しく知りたい方はこちら:改正電子帳簿保存法 活用事例集

令和三年度税制改正徹底解説!電子帳簿保存法で領収書のスキャナ保存、電子化はどうなる?

 

コンカーにおける電子帳簿保存法 スキャナ保存制度 対応の状況

コンカーでは、2017年4月よりスマートフォンを使った領収書受領者本人による電子化が始めています。

従業員数 約140名 1か月の領収書の枚数 約1200枚 電子化の方法 原則、領収書受領者本人がスマートフォンにより実施
(全従業員にスマートフォン(iPhone)を支給)
Concur Expenseのモバイルアプリ「Concur Mobile」を用いて領収書を撮影 対応開始までのスケジュール 2016年10月~: 規則・事務処理フロー策定
2016年12月~: 麹町税務署へ申請
2017年 2月~ : タイムスタンプ付与による社内検証
2017年 4月~ : 正式対応開始 紙の領収書廃棄のサイクル 毎月の経費精算の処理完了後、定期検査を実施
定期検査において不備が見つからなければ、当月分の領収書を廃棄
(毎月、紙の領収書を廃棄)

(2017年12月末現在)

領収書電子化 Before / After

それでは、実際のプロセスがどのように変わったのかを、具体的にご紹介します。

1.領収書受領者本人(経費申請者)による申請
今までは月末の経費精算締日間際になると、領収書を糊付けし、申請書と一緒に提出していました。
今ではスマートフォンを使って領収書を撮影。その画像データを使ってアプリ側で申請ボタンを押すだけ。随分楽になりました!

2.領収書画像の監査(Audit)

今まではシステム側での申請が終わったら、マネージャーにワークフローが送られ、上司が領収書の内容などを細かく確認していました。
今はマニラのBPOセンターに送られ、細かいチェックの代行をしているため、省力化されています。

3.申請者の上司(経費承認者)による承認

費用の妥当性についてはマネージャーが確認しなくてはいけないので、BPOセンターのチェックが終われば上司の元へワークフローが送られます。
全てモバイルで完結できるため、承認のためだけにオフィスに戻る必要も、PCを立ち上げる必要もありません。移動中、電車の中などでも承認できます。

4.紙の領収書の回収
以前は糊付けした領収書の紙を回収していましたが、今では領収書ボックスに入れるだけでOKに。

5.経理担当者による処理

BPOセンターにチェックを依頼しているので、細かいチェックは不要です。
仮にする場合でも、紙の領収書とPC上で申請の内容を左右に並べて照らし合わせることができるので、とっても簡単です。

6.領収書の保管

以前は糊付けされた領収書の台紙に穴をあけてファイリングし、整理整頓して7年間保管しなくてはいけませんでした。
今では電子化されているので、整理整頓も不要。7年間の紙の保管から解放されました。

領収書電子化後に感じたメリット

  • 経費精算の負荷軽減で生産性が大幅アップ!
    糊付けが不要となって、経費精算に掛かる時間が約70%削減されました。
    また、経理担当者も電子画像が原本になったことで、リモートでの作業が可能に。経理チェックの時間も約30%削減されました。
  • 保管・輸送コストが激減!
    領収書を保管するためのスペースはほぼ不要。糊付け廃止によって、糊付けする台紙の紙コストも削減されました。
    また、支店から本社に紙の領収書を送るコストもかかりません。
  • 法人カードを利用してガバナンスも強化!
    法人カード利用を促進することで、金額の手入力は極力撤廃。金額の入力誤りや改ざんを防ぐことができるので、チェック時間が大幅に削減できています。
  • 経費精算がスピードアップ!
    経費精算にかかる全体の時間が大幅に削減。出張先でも経費申請ができるため、遅延して提出する従業員がほぼ半減しました。

領収書電子化で苦労したポイント

  • 社員は経費精算のオペレーション変更を理解してもらう必要がある!
    「自署をして受領後3日以内にスマホで電子化」を習慣づけること、また3日を過ぎた場合の電子化のフローなどを従業員に周知・啓蒙をする必要があります。
    また、「自署忘れ」「領収書画像のピンボケ」など、最初はミスも発生。根気強く啓蒙することが重要です。
  • 経理担当側も確認のオペレーションが変更!慣れないといけない
    「タイムスタンプ」や「自署」の確認など、確認するポイントも変わるため、慣れるまでは大変でした。

結論は・・・

多少の苦労もありますが、どんなプロセスを変更しても伴う「生みの苦しみ」です。今では昔のプロセスにはもう戻れないと強く感じるほどの効率性を感じています!

いかがでしたでしょうか?経費精算ほど生産性を損なう作業はありません。全従業員がハッピーになる経費精算の電子化。即効性のある働き方改革として、検討してはいかがでしょうか?


領収書電子化をするための手順や注意事項をまとめた領収書・請求書電子化完全ガイドのダウンロードがが可能です。
是非貴社の領収書電子化にお役立てください。
電子帳簿保存法に関する情報はこちらから。
コンカー製品に関するお問い合わせはこちらからご連絡ください。

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