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イベントレポート(後編)- SAP Concur Fusion Exchange 2018 Tokyo
非競争領域の業務システムは、自分で「作る」ではなく、世界最高を「使う」
ここで、実際の企業現場でデジタルトランスフォーメーションに取り組む野村ホールディングス 北村 巧 氏とヤンマー矢島 孝應 氏が登壇し、業務のデジタル化の現状についてトークセッションが行われた。北村氏は「トップラインが伸びにくい市場環境ではボトムラインを最終的にどう確保するか?が重要なテーマ。ただし、間接業務は差別化要素を必要としない領域。私たちの判断は、餅は餅屋、経費管理は SAP Concur で高度化すべきと判断した」と説明した。続いて、矢島氏は「直接業務のデジタル化に比べ、間接業務の高度化はやや真剣さがやや足らなかった」と述べ、併せて「総務、人事、経理の業務は大変重要。ただし、お客様や社会に対して直接、付加価値を提供する観点ではまだムダが多く、SAP Concur に期待しているところも大きい」と述べた。
(ヤンマー 取締役 ビジネスシステム部 矢島 孝應 氏 / 野村ホールディングス 執行役 財務統括責任者(CFO)北村 巧 氏)
73%の社員が出張中にトラブルを経験、必要な対策をすぐに打てるか?
次に、三村氏から日本で提供が始まった新サービス「Concur Locate」のサービス概要が事例とともに紹介された。コンカーの調査によると73%の出張者が出張中に何らかのトラブルに遭遇するものの、社員の出張情報が集中管理されておらず、企業が適切な対策を取れていない現状を説明した。「Concur Locate」を活用した事例として、2017年6月3日にロンドン橋で発生したテロ事件のケースを紹介。現地に滞在していた社員58名を「Concur Locate」で瞬時に特定、全社員の安否確認のまでわずか20分以内で完了させた実績を強調し、企業に求められる安全配慮義務に対する具体策を示した。
TripLink と TripIt で米国並みの最高の出張・経費精算体験を日本へ
次に SAP Concur 本社から製品開発責任者の Tim MacDonald 氏が登壇した。「TripLink」と「TripIt」を組み合わせてできる「パーフェクトトリップ」の実現イメージを紹介した。SAP Concur は自社サービスに加え、「TripLink」と呼ばれる外部出張関連事業者と直接接続するテクノロジーを持つ。このテクノロジーを活用すれば、国内航空事業者、国内ホテルチェーン等と接続することで、国内出張体験の高度化も可能となる。また、接続された情報の全てが「TripIt」と呼ばれるモバイルアプリで利用できる他、フライト便のゲート番号の変更など更新情報もリアルタイムでプッシュ配信される。これらを組み合わせることで、紙の旅程表などを必要なしに全ての情報を SAP Concur に集約、最高の出張体験「パーフェクトトリップ」を享受できる。日本市場でも米国市場と同様の出張体験を提供すべく、関連パートナーとの協業と投資活動を積極展開していくと熱く語った。
(Tim MacDonald, Chief Product Officer, SAP Concur)
ソニーグループで渡航経費5%削減、NECグループで7万時間を半減
そして、出張・経費管理の一元管理を目指すソニーコーポレートサービス 吉原 泰章 氏とNECマネジメントパートナー 武内 康 氏が登壇した。吉岡氏は「ソニーグループでは出張・経費精算を一元管理するメリットを高く評価、「Concur Expense」と「Concur Travel」の双方を活用し、渡航経費を約5%削減した。今後、出張経費をさらに分析し、割安の航空券のさらなる活用などを通じて、コスト管理の高度化を進めたい」と語った。武内氏は「NECグループでデジタルドリブンな業務改革を実現すべく、グローバルスタンダードの SAP Concur を採用した。現在、年間10万人の従業員が100万件の出張・交通費の精算を行なっているが、7万時間の業務時間を半減し、金額ベースで1億6000万円の削減効果を生み出した。リスク管理製品も組み合わせ、社員への安全配慮義務に対して良い取り組みができている。今後は AI や RPA と SAP Concur を組み合わせ、不正検知や音声自動認識など付加価値の高いサービス開発と利用を一緒に進めて行きたい」と語った。
(NECマネジメントパートナー 執行役員常務 BPOサービス事業部 武内 康 氏 / ソニーコーポレートサービス 総務センター トラベルマネジメント部 統括部長 吉原 泰章 氏)
日本市場はすでに世界2番目の規模、SAP Concur は積極な投資を続ける
最後に SAP Concur 本社プレジデントである Mike Eberhard 氏が登壇。SAP Concur にとって日本市場はすでに米国市場に続く2番目の規模に成長しているとし、その背景として、Suica、PASMO などの交通系ICカードや Japan Taxi との連携、e文書法の規制緩和活動や関連製品の開発など、日本独自のニーズに対応した結果が奏功したとの認識を示した。今後、日本は労働人口の減少などの問題に直面するため、今まで以上に効率的な働き方が求められ、SAP Concur が貢献できる要素が増えてくる。「私たちはモバイル・AI・クラウド・ビッグデータなどを活用し、人間が人間にしかできない業務に集中できるような必要な製品サービスを日本市場に提供し、お客様の競争向上に貢献したい」と必要な投資活動の継続を積極的に進めていくと語り、午前中の基調講演の幕が降りた。
(Mike Eberhard, President, SAP Concur)