働きかた改革
経理の在宅勤務はSAP Concurでできるのか?コンカー経理担当の挑戦。
在宅勤務が広がるなか、紙に依存する業務の多さに悩む経理担当者も多いのではないでしょうか?
特に、領収書や請求書は「紙」で管理されている企業がほとんど。自分を含む社員が出社しないなか、経理担当者はどう領収書や請求書を回収するのか、承認フローをどう回せばいいのか、支払い期日に間に合わせるためにはどうすべきか、様々な課題に直面し、頭を悩ませていることかと思います。
参考記事:経理のテレワークはできない?その理由は「紙」にある!
コンカーも2020年4月現在、在宅勤務が続いています。今回は、我々コンカーの経理が在宅勤務でSAP Concurを利用してどのように領収書の処理や請求書の処理を行っているかをご紹介します。
目次
・在宅勤務を始めるにあたっての不安
・コンカー経理の在宅時における領収書の処理
・コンカー経理の在宅時における請求書の処理
・電子帳簿保存法に対応していなくてもSAP Concurで在宅勤務ができる!
・最後に
在宅勤務を始めるにあたっての不安
今回の一斉在宅が始まるにあたり、業務で困ることがあるかどうかを経理チームで確認しました。その際、私たちも他社の例に漏れず「紙が困るね」という話になりました。
コンカーでは電子帳簿保存法に対応しています。通常の電子帳簿保存法での領収書・請求書処理の運用は、以下のとおり行っています。
領収書の場合:
請求書の場合:
立替経費の処理については、平常時も経理のチェックは、領収書原本は手元にはなく画面上で確認していたので、領収書原本が手元になくても問題ないと思いました。しかし、請求書に関しては電子と紙両方で受領していました。そのため、「本当に在宅で処理ができるのだろうか?」と非常に心配でした。
コンカー経理の在宅時における領収書の処理
立替経費の処理に関しては、事前に予想していた通りで在宅勤務中も通常と同じ運用で問題ありませんでした。
社員への質問があっても、チャットツール・メール・電話といったツールがあれば対応できますし、上長の承認、経理承認などのワークフローもウェブで回るので滞ることがありません。万が一あっても、ウェブで滞留しているところを確認し、連絡すればフローは回っていきます。平常時から上長承認や経理承認のために出社するような必要がなかったため、この点に関しては、完全に在宅での処理となっても特に変更が必要なことはありませんでした。
しかし、実際に踏み切った後で定期検査には紙の原本が必要で、在宅のままだと回収できず、通常運用フローのステップ⑤と⑥の実施が難しいことに気づきました。
ここに関しては、「1か月に1度の定期検査を行う」としていたルールを、「緊急事態のため領収書原本の提出は在宅勤務解除後、各自出社できる状態になった際に提出する」ことにしました。
また、それに伴って以下の対応を行っています。
1) 定期検査実施管理表にて、緊急事態であったため、検査時期をずらし、3月と4月分を合算して定期検査とした旨を明記(在宅期間が延びた場合は、その期間に応じて延長)
2) 「事務分掌細則」の(定期的なチェック)に、「翌月以降に持ち越して実施することができる」場合の内容を新しく設ける
よって、現在の在宅勤務における運用は以下のとおりです。
コンカー経理の在宅時における請求書の処理
在宅にあたって、ここが非常に不安な部分でしたが、各担当者からベンダーに連絡し、電子に切り替えを交渉することでほとんどが電子に切り替えられることになりました。ただ、それでもまだ郵送で届く分が残っています。そこに関しては、社内で業務上どうしても出社しなければならない方にご協力をお願いし、だいたい週1度のタイミングで郵送で受け取った分をPDF化し送ってもらっています。
電子で受け取った請求書はConcur Invoiceで必要な承認をワークフローで回し、支払処理に回します。そのため、請求書を電子で受け取ることができれば、その後は在宅勤務中でも、経理処理や、支払処理で困ることはありません。
定期検査については、こちらも領収書と同様の形で行うこととしました。
電子帳簿保存法に対応していなくてもSAP Concurで在宅勤務ができる
"電帳法対応していないと在宅できないなんてハードルが高い…"
そう思う方もいるかもしれません。しかし、電帳法対応していなくても、SAP Concurで在宅勤務は可能です。
もちろん、電帳法対応していないことによって最終的には紙保管の必要はありますが、領収書の場合、取り急ぎWeb上で承認を回しタイムリーに計上し、従業員へ払い戻しを行うことは、画像だけでも運用可能です。請求書の場合も、郵便で届く分は原本とは別にPDFでもらっておくなどをすれば、同様にWeb上で承認を回し、計上、ベンダーへの支払いができます。
その後、在宅を終えて紙が出せるタイミングで、紙を収集するような運用にすればいいのです。
領収書の場合:
請求書の場合:
最後に
今回の在宅勤務で、領収書処理については定期検査以外はほぼ通常通りに運用することができました。懸念していた請求書処理も、一部どうしてもスキャンが必要な部分もありますが、各担当者からベンダーへ電子請求書への切り替え依頼を行うことで、新たに電子請求書で受領できる取引先が増え、なんとか対応ができています。
これは自分達のなかで無意識に「ここのベンダーさんは紙で請求書が来るから」、「この仕事は出社しないとできない」というような思い込みが原因だっただけで、もっと事前に依頼をしてみることや、本当に出社しないとできない作業なのかを考えてみることも必要だったなと痛感しました。今回のことをきっかけに、「もしかしたら自分達で思っている以上に効率化できることはあるのでは?」という視点を持って、業務に携わっていこうと思っています。
現在、このような状況下で、急に色々なことを変えるのは難しいかもしれません。しかし、私たちが電子請求書の取引先を増やしたように、徐々にでもできることがあると思います。ひとつの仕事を長くしていると、思い込みや経験則に陥ってしまいがちですが、一度立ち止まり業務を見直してみると意外と変えることができるポイントは多くあるものです。
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