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拡大を続けるユーザーコミュニティ〜【イベントレポート】ゼネラルビジネス SAP Concur ユーザーコミュニティ第五回 意見交換会
ユーザー企業様同士をつなげ、より良いSAP Concurの使い方についての意識を深めていただくための情報共有・交換の場として開催している「ゼネラルビジネス SAP Concur ユーザーコミュニティ」。この度、第五回のイベントを開催いたしました。今回のテーマは、「業務運用面・設定面での改善を図るために」ということで、差戻し率低減や接待交際費の入力に関してなど、さまざまなディスカッションも行いました。本ブログでは当日の模様をお伝えします!
差戻し率の改善のためには
コンカーでは導入していただいたお客様に向けて、利用に関する改善のご提案を行なっています。「ヘルスチェックサービス」と呼ばれるサポートで、無償でSAP Concurの設定状況や運用体制などを診断し、より良い活用が可能な改善のご提案をさせていただくサービスです。いくつかの項目に分けて改善を提案しますが、その中でも差戻しに関する部分はお客様の関心が高い項目でもあり、今回のイベントではまずはここからご紹介をしました。
(コンカー横山)
差戻し分析の概要と目的
差し戻し分析は、SAP Concurのより良い活用のため、前述した「ヘルスチェックサービス」でも弊社のコンサルタントが行なっています。差戻し分析を行うことで、各企業の業務プロセスにおける差戻しの要因が明らかになり、どうすればその比率を低減させることできるか明確になります。
さて、今回のセッションでは、事前に差戻し率などまとめた資料を各社個別に配布しています。その上で、差戻しがどこで起こっているか、より深く自社の状況を認識いただき、改善に繋げていただくために、ご参加の企業様ご自身で分析を行っていただきました。もちろん、差戻し分析の進め方について詳細な説明も行いました。全体の差戻し率、承認ステップごとの差戻し率、経費タイプの変更履歴、項目の修正履歴などのデータを確認する方法をご紹介し、お客様ご自身での分析をお手伝いしています。
コンサルタントがこれらの分析を行うメリットもありますが、お客様ご自身で分析いただくことで、自社特有の課題への対応をスムーズに行える、継続的な改善サイクルを回すことができるなど、更なる改善につながると考え、このような形をとらせていただきました。
差戻しの要因とは
差戻しの主要な要因には例えば、
- 経費タイプの誤り: 申請者が適切でない経費タイプを選択してしまう。
- 入力項目の誤り: 必須項目の未記入や、1箇所入力すればいいのに2箇所記載してまうといった間違い。
- 承認コメント: 差し戻し時に残されたコメントから、具体的な修正点を特定する必要がありわかりにくい。
- 業務目的の記載ミス: テキスト形式の項目で、記載ルールが複雑であると発生しやすい。
といったことがあります。また、インボイス制度導入後に差し戻し率が上昇するなど、制度変更の影響も大きくなっています。
差戻し率の改善に効果的な方法とは?
どこで差戻しが多くなっているのか、がわかってきたところで、いくつか改善に役立つ効果的な方法と、リリースされたばかりの新機能をご紹介しました。
改善に役立つ方法
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経費タイプ選択の改善
選択ミスを減らすため、一般的な「飲食費」という名称を「ゴルフ接待用飲食費」のように具体的かつ用途を限定した名前にする方法。簡単ですが、効果的です。 - 入力ルールの強化
必須項目の記入漏れや、入力内容の矛盾を防ぐためのルール設定も効果のある方法です。たとえば、原価センターとプロジェクトコードのどちらか一方の記入が必須である場合、どちらも未入力または両方入力されている状態を排除する監査ルールを設けます。このように事前にエラーを検出する仕組みを導入することで、差戻しの手間を削減します。
- 領収書の添付
申請時に「適切な領収書が添付されていない場合には提出できない」ようにしてしまうことで、差戻しを減らすことができます。特に、Amazonなどのオンライン領収書の適切な書式を促すメッセージを表示することで、不備を防ぎやすくします。
差戻し低減に役立つ新機能
- 経費タイプ説明機能
申請者が経費タイプを選択する時に、選択した項目に関する説明を表示する機能です。「ゴルフ接待用飲食費」を選択すると、該当する条件や利用シーンが画面に表示されます。この説明文はシステム管理者が柔軟に設定でき、ポリシーごとに異なる内容を反映することもできます。
- クリックヒント機能
クリックヒント機能は、申請画面に追加情報や補足を表示する仕組みです。申請者が経費タイプを選択した後、次の入力画面に進む際にヒントや注意点がポップアップ形式で表示されるので申請者は誤入力しにくくなります。
- ハイパーリンク機能
クリックヒント機能と連動して、申請者がリンクをクリックすると外部の参考資料や社内ガイドラインにアクセスでき、領収書の添付方法や申請ルールに関する疑問を解消可能です。
これらの新機能や施策の導入により、差戻し率の低減だけでなく、プロセス全体の効率化、申請者の利便性向上が可能です。ポイントを絞って活用することで、申請者がより迷わない仕組みを構築することができます。企業ごとの課題に応じたカスタマイズ設定が可能なので、まずは差戻しが多い項目に限って、取り組んでみることをお勧めし、コンカーからのご紹介を締めくくらせていただきました。
このあとは、6つのテーブルに分かれて差戻し分析に関するディスカッションを行いました。
何から取り組むべきかや、困っているポイントについての共有がテーブルごとに活発に行われ、話がどんどん盛り上がっていました!
コンカーの今後の取り組みについて
次に、コンカーのサービス統括本部の責任者である多川より、本部の役割や今後の目指す方向性をご紹介するセッションに移りました。
「人が介在する価値、人が生み出す付加価値」
コンカーのサービス統括本部は、2022年に再編され、3つの主要なチームで構成されています。それぞれのチームは以下のような役割を担っています。
(コンカー多川)
サービスデリバリー: プロジェクトの実施や、稼働後の展開および設定変更支援を担当。
プロダクトサポート: 障害対応やお客様からのお問い合わせに対応。
マネージドビジネスサービス: 監査サービス、ユーザーサポートデスク、BIレポートの作成など、利活用を促進する機能を提供。
これらは元々別部門として活動していましたが、「人が生み出す付加価値」を重視するという考え方に基づき、1つの部門として再編しました。
それでは、「人が生み出す付加価値」とはどういうことか。経費精算に関するソフトウェアは世の中に多数あり、
「提供しているのはあくまでソフトウェア」
と多川も話をした通り、コンカーが提供しているのは単なるクラウド製品です。そこには、お客様の課題を解決する機能の拡大や品質の向上という「あるべき価値」があります。ですが、それだけではありません。他社も機能を強化しており、機能面の差別化はどんどん難しくなってきていますが、その上で、そのソフトウェアをお客様に効果的に使っていただき、期待する成果を実現するには、人が間に介在することが不可欠と考えており、コンカーはそれを重要視しています。
「人が生み出す付加価値」のイメージとしては、「豪華絢爛な設備や高級食材がなくても、あの温泉旅館にはあの女将さんがいるからもう一度行きたい」というような、「人の温かさ」や「丁寧な対応」です。
「お客様にとって、どのシステムを選ぶかは、そのシステムをサポートする人たちの力量による部分が非常に大きいです。ソフトウェア自体ではなく、そのソフトウェアをどう届けるかが鍵です。」(多川)
このような考え方に基づき、サービス統括本部では、単に問題を解決するだけでなく、顧客に寄り添い、お客様が抱える課題を深く理解することを目指しています。お客様に「このサービスを使い続けたい」と感じてもらえるような関係構築をすることが、結果として、サービス提供の一貫性と顧客満足度の向上を支える重要な要素になると考えています。
サービスの進化
ではコンカー設立当初からこのような対応ができていたのか。というと、そういうわけではなかった、ということも、正直にお話しさせていただきました。
お客様に満足いただくことが重要、という認識はありました。そこで、導入でお待たせしないための導入パートナー認定制度、利用者満足度を上げるユーザーサポートデスクの開設、チェックの手間を削減する監査サービス、経費の利用状況をより深く分析するBIのレポーティングサービスなど、サービスを拡大してきましたが
「2019年までの私たちは、とにかく契約いただいたお客様に早くシステムを利用してもらうことを最優先にしていました。その結果、一部のお客様には十分な満足を感じていただけず、まだ効果を実感できていないという声もありました。この点については、反省を込めて振り返らなければなりません。」
と多川は言います。
2020年、コロナ禍によって新規商談が減少する中、既存顧客へのサービスを見直す必要性を痛感しました。この時期に「反省を込めて」取り組んだのが、CUO室(Client Utilization and Optimization)の設立です。CUO室では、顧客の運用状況を診断し、効果的な改善提案を行うヘルスチェックサービスを提供しています。
「ヘルスチェックを通じて、お客様の設定や運用を見直し、具体的な改善策を提案しました。ただシステムを導入するだけでなく、その後の活用度合いを高めるための取り組みです。」
さらに2021年には、「不満足なお客様をゼロにする=Unhappy Zero=U-Zero」という活動を開始。ここでは顧客の声を丁寧に拾い上げ、診断サービスや設定変更を含む具体的な改善を進めています。
「U-Zeroを通して得た教訓の一つは、システムの設定や機能の話だけではお客様の真の課題は解決できないということです。我々は、業務効率化やガバナンス向上といったお客様の目指すべき姿を共に考える姿勢を持つようになりました。」
さらに、「成熟度マップ」というフレームワークを開発。お客様がシステム導入によって何を達成したいのか(効率化、ガバナンス、キャッシュレス、承認レスなど)を可視化するツールとして、提案段階から稼働後のコミュニケーションまで活用していることもご紹介しました。
診断サービスの進化と新たな取り組み
コンカーの診断サービスは、顧客の業務プロセスやシステム運用の効率を向上させるために進化し続けています。多川から、この診断サービスの意義について次のようにお話しいたしました。
「診断サービスは、お客様が本当に効果を実感できているか、現状の運用がベストプラクティスに近いかを確認する重要な取り組みです。初期の診断は経費精算の設定最適化が中心でしたが、現在ではその範囲を大きく広げています。監査サービスで蓄積されたデータや、ユーザーサポートデスクに寄せられたお問い合わせ情報を基に、課題の全体像を把握し、それに応じた具体的な改善提案を行えるようになりました。」
特に最近お客様からの注目が高いのが、「承認レス」を目指す診断です。従来の承認プロセスを見直し、不要なステップを削減することで、業務の効率化とスピードアップを図ります。
「承認レスを進めるには、まずどの経費タイプが対象となり得るのかをお客様と一緒に分析します。たとえば、既に現金使用が少ないタイプや承認ステップがもともと少ないものを最初のターゲットに選定することで、導入がスムーズになります。」
また、忙しいお客様にもご活用いただけるよう、AIやビッグデータを活用し、手間をかけずに改善点を把握できる簡易版の診断サービスも導入しています。さらに「成熟度マップ」で目指す地点をお客様と共有することで、より幅広いご提案も可能になりました。今後も、より多くの皆様に適切なサービスを届けるため、診断メニューのさらなる拡充を進めていく予定、とお話しし、多川からのご紹介パートを終わらせていただきました。
接待交際費のフォームに関するディスカッション
最後に、接待交際費に関するディスカッションを行いました。ディスカッションに先立ち、弊社メンバーより接待交際費に関する不正リスクについてのアンケート結果を紹介しました。
なんと、7割のお客様が経費精算の申請において不正のリスクを感じており、特に接待交際費が4割弱で最も高いリスクとして認識されています。
どのように設定すると、このリスクを減らせるのか。コンカーの事例も含め、お話をさせていただきました。
それを元に、再度6テーブルにて、普段は見ることのできない他社のコンカーの画面、接待交際費の設定画面を共有し合っていただきました。状況をお互いに把握することで、更に話が弾み、たくさんの共感の声、お困りごとのへの対応の共有など、時間をオーバーする盛り上がりとなりました!
まとめ|第6回に向けて
昨年から開催しているこのイベント、今回は17社35名のお客様にお集まりいただきました。初回は3社での開催だったことを思い起こすと、1年ちょっとでどんどん輪が広がっています。アンケートでも、大変満足・満足というお声が毎回90%を超えており、とても好評いただいております。ぜひ皆様もご参加ください!きっと、日々の運用に役立てていただけることと思います。