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【セミナーレポート】ICCI(IC Card Integration Service)ご利用事例セミナー -経費精算の圧倒的な効率化が可能に-

SAP Concur Japan |

2024年6月26日に「ICCI(IC Card Integration Service)ご利用事例セミナー -経費精算の圧倒的な効率化が可能に-」(主催:株式会社コンカー)を開催し、20社29名様にご参加いただきました。当日は、株式会社アップルパーク管理部 経理課 課長 蘇暁君 氏と課長代理 菅原美香 氏、東急株式会社 財務戦略室 経理マネジメントグループデジタル推進担当 課長 島田龍之 氏 に、導入事例をご紹介いただきました。続いて、東日本旅客鉄道株式会社 マーケティング本部 戦略・プラットフォーム部門 データマーケティングユニット 上砂智行 氏をパネリストに加えた座談会では、活発な意見交換が行われました。本ブログ記事では当日の様子をご紹介します。

 

【冒頭挨拶】イメージしにくいサービスだからこそ、ご利用者様の生の声を紹介したい

冒頭挨拶の様子

 

冒頭、株式会社コンカー 営業統括本部 カスタマーセールス本部 コマーシャル営業部部長 柳宗行より開会挨拶を行いました。

昨年来、オンサイトでセミナーを開催したところ非常に好評で、「登壇者様に直接お話を聞けてよかった」「実際に使っているユーザー様とお話ができてよかった」「困りごとについて解決のヒントを得られた」といった声が多かったため、オンサイトとウェビナーの両方で開催する運びになったことを説明しました。

そのうえで、ICCIは革新的なサービスであるものの、いたってシンプルなソリューションなため言葉だけでは伝わらないことが多いため、今回はすでにご利用されている会社様の生の声をご紹介することで、参加者様のご検討に役立ちたい旨を述べました。

【サービス紹介】ICCIサービス概要および最新情報

株式会社コンカー ソリューションコンサルタント 大智勇輔 より、ICCIサービスの概要を紹介しました。

ICCIサービスとは、Suica・PASMO・nimocaなどのICカードで電車・バス・タクシー・駐車場の利用費を精算したとき、利用情報が利用者のコンカーアカウントに自動連携されるサービスです。仕事用とプライベート用の使い分けが可能で、利用データは編集不可のため不正が防止でき、データ上限数がない、といったさまざまなメリットがあります。

【事例講演】導入事例 -株式会社アップルパーク 様-

アップルパーク様

 

コインパーキングなど駐車場・駐輪場の管理を手掛ける株式会社アップルパーク管理部 経理課 課長 蘇暁君 氏と課長代理 菅原美香 氏より、ICCIを導入した経緯や効果について事例講演をいただきました。

1. ICCI導入の背景

ICCI導入に至った背景をご説明いただきました。

これまでは、経費精算の際にICカードへの「チャージ代」を確認して精算していました。チャージ代の中から、私的利用分や物品購入分を差し引くために、定期的に発券機で利用履歴を発行し、その内容を承認者がチェックすることで精算する流れでした。

申請者は精算の都度、利用履歴から私的利用分や物品購入分を差し引く計算をしなければならず、手間がかかっていました。また、承認者は履歴をさかのぼって、過去清算との重複や定期券区間分との重複、土日利用の有無、物販の有無などをチェックしており、かなりの労力が必要でした。営業担当など、ICカードの利用頻度が多い社員の場合は、利用件数が多すぎて利用履歴を発行できないことも多く、そのような事態を防止するための社員教育にも時間をとられていたそうです。

2. ICCI導入の効果

ICCIの導入効果をご説明いただきました。

導入によって、チャージ代精算から実費精算に変えることができました。ICカードの利用履歴はコンカーに自動で連携されます。利用履歴のうち、土日利用分などに対してはアラートが出る設定になっているため、申請者が間違いに気づきやすくなり、差し戻しが減りました。アラートが出ていても、仕事で使った経費であればコメント欄に書いて申請する運用にしており、承認者はコメントを確認して承認できるようになっています。

また、精算額を自動集計してくれるため、検算も不要になりました。ICCIを導入する前は「Concur Tap to Expense」を利用しており、ICカードを端末にかざして利用履歴を読み取る仕組みでした。しかし、このサービスは最新の20件までしか読み取れず、利用上限に課題がありました。ICCIに切り替えたことで利用上限もなくなりました。社員アンケートをとったところ、84%が「便利になった」と回答したそうです。

3. 今後コンカーに期待すること

今後コンカーに期待する点についても、ご紹介いただきました。

Suica・PASMO・nimocaには対応しているものの、関西圏や東海圏の社員からICOCAやmanacaの連携も求められています。利用から連携までに1日かかり、精算忘れが発生する懸念があるため、即日連携や、連携時にメールなどで通知する機能が追加されると便利になるとのことでした。

【事例講演】導入事例 -東急株式会社 様-

東急様

 

交通・不動産・生活サービス・ホテルリゾート事業など幅広く手掛ける東急株式会社 財務戦略室 経理マネジメントグループデジタル推進担当 課長 島田龍之 氏より、ICCIを導入した経緯や効果について事例講演をいただきました。モデレーターは、株式会社コンカー 営業統括本部 コマーシャル営業本部 本部長 簗瀬 太祐 が務めました。

1. ICCI導入前の状態や課題

はじめに、ICCI導入前の状況をご紹介いただきました。

SAP Concurを導入する前は、部署ごとにICカード(PASMO)を購入しており、外出する人がICカードを借りて使い、残高が少なくなったらその場でチャージをして、領収書と使用履歴を出力し、チャージ分を経費精算していました。すべての使用履歴をチェックすることは難しく、ほぼノーチェックに近い状態だったため、不正の温床になっており問題だと感じておりました。

交通系ICカードは、最新20件までの利用履歴しか保存されない制約があるため、上限の20件をすぐに超えてしまう社員が多く、手入力による精算作業が発生していました。また、精算額の編集ができるため不正の温床になったり、専用端末を全拠点に配置できないなどの問題があったり、社内スマートフォンのバージョンが古く、利用履歴を読み取れない場合があったりと、問題が多い状態でした。

2. 社内上申時に説明した内容

ICCIの導入に向けて社内で上申した際、説明された内容をご紹介いただきました。

鉄道業界特有かもしれませんが、社員全員にPASMOを配布しており、PASMOとの連携ができることは大前提でした。社内上申の際は、次の4点を説明しました。

1. グループ内のデータ連携

子会社へ出向や兼務する社員が増える中で、1人の乗車データを複数の会社のアカウントに連携でき、グループ内のデータ連携が可能であること

2. 通勤の定期券廃止への対応

現時点では計画にないが、時代が変わって社員による通勤定期が廃止されて、実費精算になった場合に大きなメリットが見込めること

3. 不正防止

端末制約や明細表示、編集不可データへの連携要望に対応できること

4. 定期区間登録が不要なこと

鉄道会社の社員は自社の鉄道区間は定期区間として費用がかからない。これまでは事前にシステムへ無料区間を登録し、交通費が計上されないようにする必要があった。ICCIは定期情報が自動で反映され、乗り越し分の乗車代のみが反映されるため、定期登録の手間が不要になること

3. 社内での評価

ICCI導入後の社内評価をご紹介いただきました。

金額や利用区間が自動連携され、入力レスを達成できた点を高く評価しています。社員からは、電車移動が多い中で入力の手間がなくなり助かっている、といった声が多く寄せられています。これまでは利用上限の20件をすぐに超えてしまい、連携されず利用区間を思い出しながら調べて、個別精算する作業がとても面倒だという声がかなりありましたが、それがなくなって精算漏れも減り、社内でも評価を得ています。承認者からは、乗車区間が載っている点が好評です。利用区間が履歴として残ることで、不正に対する抑止力として機能しています。

【パネルディスカッション】ICCIの効果と課題

パネルディスカッションの様子

 

株式会社アップルパークの蘇 氏と菅原氏、東急株式会社の島田氏、そして東日本旅客鉄道株式会社 マーケティング本部 戦略・プラットフォーム部門 データマーケティングユニット 上砂智行 氏をパネリストとして、ディスカッションを行いました。モデレーターは株式会社コンカー デジタルエコシステム部 リーダー パートナービジネスマネージャーの長田豊之が務めました。

ディスクリプションと取り上げた6つのテーマに対する、各社様のご意見を紹介します。

1. ICCI展開後の交通費精算における効果

(アップルパーク様)

利用上限を気にせずに済むようになり非常に便利になったことと、申請漏れが少なくなったこと、アラート機能によりチェックの手間も省けている点で効果を感じています。

(東急様)

リモートワークが増える中で、交通データを専用端末で連携するために出社する人が多い状態でした。この時間をコストに置き換えると大きく、効果として捉えることができ、大きな効果を得ています。

2. ガバナンス強化につながる具体例

(アップルパーク様)

区間がICCIにより自動連携されるため、いつどこに行っていたのかわかる状態になった。社員のスケジュールと見比べれば、予定通りの仕事をしているか確認できるようになった。

(東急様)

社員から申告された交通費が、距離や時間が長く乗り換え数が多いと、承認者側でその金額が正しいのか再現できないことがありました。完全実費精算になって、そうしたチェックが不要になったため、承認者側の心理的負担は減ったと思います。また「不正なく申請しているか」といった、承認者が申請者を疑う業務プロセスが減ったため、企業風土の面でもよかったと考えています。

3. ICCI連携外のICカードの対応状況

(アップルパーク様)

連携外ICカードを利用する場合については、他の経費と同様に領収書をとって、精算するフローを組んでいます。

(東急様)

既存のコンカーの履歴読み取りサービス「Concur Tap to Expense」を利用したり、領収書で精算をしたりしています。

4. ICCIを社内展開する際のアドバイス

(アップルパーク様)

社員全員が参加する勉強会でICCIサービスの紹介をしたうえで、一斉に登録する場を設けたのがよかったです。一方で、登録ができない人もいました。事前に社員のSuica・PASMOの利用有無や、実名登録しているかなどを事前に把握していれば、登録にかかる手間をさらに減らせたと思います。

(東急様)

今でも順調に利用者は増えていて、手順書をしっかり作りイントラネットで呼びかけたのがよかったと考えています。

(JR東日本様)

JRではJR東日本ビルテックがICCIを導入しています。経理担当者が各拠点をキャラバンして説明し、参加者にはその場で登録してもらったため、利用者が一気に増えました。

5. JR東日本が展開するオフピーク定期券とは

オフピーク定期券のことを知らない人も多いため、ここでJR東日本様よりご紹介いただきました。

(JR東日本様)

オフピーク定期券とは、定期券を利用できる時間を制限する代わりに定期料金を10%安くしたもので、昨年2023年の3月から始めました。ピーク時間における山手線の混雑解消を主目的に設計した制度なので、路線によって割引対象となる時間帯が違います。山手線から離れるほど設定時間は早くなっていく仕組みです。

利用者は順調に増えてきています。2024年10月からは割引率が10%から15%に増えるので、ぜひ利用をご検討ください。

オフピーク定期券✖️コンカー(動画)

6. 今後のICCIソリューションに期待される点

(アップルパーク様)

ICカードの全国対応を期待します。また即日連携や通知メールに対応してもらえるとさらに使いやすくなると思います。

(東急様)

ICCIの利用者情報を確認する手段を作ってほしいです。今は誰がICCIを使っているかわからないため、まだ利用していない人へキャンペーンを張ったり、なりすましのチェックをしたりすることが難しい状況です。

加えて、通勤費と交通費の区分けも今後求められてくると考えています。世の中が変わっていき、通勤費が定期券でなく実費精算になったら、その分は非課税になるので別建てにしなければならなくなります。AIで判別したり不正検知をしたりできるとよいのではないでしょうか。

(JR東日本様)

コンカーが掲げる「経費精算がない社会」というのは素晴らしいと思います。一緒にやれる部分があれば連携して取り組んでいきたいです。

最後に

今回のセミナーでは、ICCIについての生の声を、アップルパーク様、東急様、JR東日本様、そして多くの参加者様からいただきました。この場を借りて、あらためて御礼申し上げます。

メリットが大きいICCIですが、ご指摘もあったように、まだ対応できていないご要望もございます。コンカーとしては引き続き開発を重ね、利用しやすいサービスの構築に努めてまいります。

会の最後には、登壇者様と参加者様を交えた交流会を開催しました。今後も引き続き、さまざまな業界でこういった場を設けてまいります。

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営業として入社1年目にして、年度の目標を早々に達成したという井上直紀(いのうえなおき)。お客さまに役立つプランを考え抜き、わかりやすく伝えるために、資料の一行から会話の一言一句までを徹底的にこだわるという姿勢には、熱意あふれる営業スピリットが感じられます。
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