中堅・中小企業
経費精算システムは中小企業の経理課題を解決する?導入のポイントとは?
中小企業では、まだ経費精算システムを導入していない企業も多いようです。しかし、紙の伝票をExcelで処理するような経費精算には不便なことがたくさんあります。例えば、デジタル化されていない作業には非効率的な部分も多く時間がかかる、社員から伝票が回ってくるのが遅い、週末や月末に処理が集中し人手が足りなくなる、などが考えられます。そのような場合、経費精算システムを導入して課題の多くを解決できる可能性があります。システム化によってテレワーク対応が可能になるため、労働環境改善といったメリットも期待できるでしょう。
ここでは、中小企業が抱える経費精算業務の課題、経費精算システムを導入すると得られるメリット、システムを選択する際のポイントなどを紹介します。
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中小企業における経費精算にはどのような課題があるか
経費計算システムを導入していない中小企業では、経費精算にいくつもの課題が発生します。経費精算システムを導入することで、その課題を解消することが可能です。
中小企業の経費精算の課題
紙の伝票を手作業やExcelで処理している中小企業では、経費精算に次のような課題があります。
- 紙の伝票や書類の処理が多い
従来の経費処理では非デジタル作業の比率が高く、経費申請の大部分は紙の伝票を使っています。紙の伝票は一枚一枚手作業で処理をしなければなりません。作業量を減らすことができないため、経理担当者に負担がかかります。
- 従業員からの申請書が遅れがち
経費申請を行う従業員の多くは、社内の各部門に所属しています。日々の業務に追われているうちに、経費申請が遅れてしまうこともあるでしょう。期日間近または期日を過ぎて提出されることも少なくなく、経理担当者の負担が大きくなります。
- 申請内容に間違いが多い
一般の従業員は申請ルールを正しく理解しているとは限らないため、申請内容に不備があることも多く、確認や処理に手間がかかります。
- 経理担当の従業員が少ない、人手不足
上述のとおり、経費精算を行うには大きな手間がかかります。しかし多くの企業では、経理担当の従業員は比較的少なく、常に人手不足の状態です。
課題を解決するためには経費精算システム
これらの課題を解決するのに有効なのが、経費精算システムです。経費精算システムを導入して経費処理をデジタル化することで、経理処理を大きく合理化・効率化できます。
経費精算システムとは
経費精算システムとは、経費精算に関する処理を自動化・効率化できるシステムで、一般的には次のような機能があります。
- 経費申請から承認までの処理
経費申請から内容の確認、承認、差し戻し、精算などの一連の処理をシステム上で行えます。
- 会計システムとのデータ連携
システムによりますが、既存システムと連携することが可能です。
- 法人カード(クレジットカード)データやキャッシュレス決済データを連携した自動入力
法人カードやキャッシュレス決済の利用データが連携されることで、入力の手間やミスをなくせます。
- 交通系ICカードの記録取込
カードリーダーで交通系ICカードのデータを読み取り、自動でデータ入力ができます。
- 利用データの分析
入力したデータを活用し、支出の多い項目や部門はどこか、何にどれだけ経費を使っているのかなどの分析からコスト削減が可能です。
中小企業が経費精算システムを導入するメリット
経費精算システムの導入には、次のようなメリットや注意点があります。
経費精算システムのメリット
- 入力作業の省力化
申請者は、データが自動でシステムに連携されてくるため、入力作業が省力化できます。連携されたデータは、日付や金額が改ざんできない形式なので経理担当者の確認作業も削減できます。
- ほかのシステムとの連携
他部署で導入しているシステムと連携し、データ入力を自動化できます。
- 経費精算処理の効率化、スピードアップ
システム導入後は、経費申請から処理までのワークフローがデジタル化されます。紙の申請では上司が不在時は承認ができないこともありますが、デジタル上で処理が可能となることで、遠隔での承認作業ができるようになりスピーディーな処理が可能です。
- 作業負担の軽減
データ連携による自動入力や自動計算により、手作業が減ることから、経理担当者の作業負担を軽減できます。
- ペーパーレス化
紙の伝票が不要になるため、経費処理のペーパーレス化が進みます。環境に優しく、紙代や印刷代などのコスト削減も可能です。
- スマートフォンやタブレットからも操作できる
多くのシステムがモバイル端末からの操作にも対応しており、外出先や自宅でも申請や承認作業が可能です。
- テレワークにも対応可能
紙の伝票や捺印処理をなくすことで、いわゆる「ハンコ出社」の必要性がなくなり、テレワークにも対応可能です。
- 社内規定をもとにした不正チェック
例えば「休日に発生した経費」「上限超過の接待費」などに関する社内規定を経費精算システムに設定しておくことができます。規定に違反する経費申請があれば自動的にチェックし、不受理にすることも可能です。
- 蓄積した経費データ分析による経費利用の適正化
システムではデータの蓄積が可能です。一定期間システムを使って、蓄積したデータをもとに経費の利用状況を分析し、適正化することが可能です。
経費の項目については「経費の項目とは?どんなものが経費になるのかを知って正しく仕訳しよう」をご覧ください。
経費精算システムの注意点
- システムの導入にはコストがかかる
新しくシステムを導入するには、初期費用がかかります。一般的にクラウドサービスで提供されているシステムは、オンプレミス型よりも初期費用を低く抑えることが可能です。ただし、毎月のランニングコストが発生します。
- システム導入時には全社員に教育が必要
新しくシステムを導入するときには、導入教育が必要です。経費精算システムは、経理部門だけでなく、すべての従業員が操作する可能性があるため、全社的に導入教育を実施することが望ましいでしょう。
このような教育に時間や人的リソースを割くことが難しい場合は、直感的に使えるシステムを選択するなどで教育の手間をどれだけ減らせるかを考える必要があります。
- セキュリティに注意が必要
経費精算システムで扱う情報は、企業にとって重要なものなので、情報漏えいや情報の改ざんを防ぐため、強固なセキュリティが必要です。最近はテレワークが普及し、社内とは異なるネットワーク環境で操作する機会も増えているため、特に注意する必要があります。
経費精算システムを選ぶときのポイント
新たに経費精算システムを導入したり、すでに導入しているシステムから切り替えたりする場合は、より自社に最適な経費精算システムを選びたいものです。その場合は、次のようなポイントに注意しましょう。
- 自社の企業規模に合った機能があるか
経費精算システムには、海外展開にも対応した大企業向けや、最小限の機能を提供する小規模向け、その中間のタイプなどがあります。企業規模とも合わせて、自社が必要とする機能を備えているシステムを選びましょう。それにはまず、「自社が必要とする機能」を明確にしておかなければなりません。
- コストは適切か
システムにかかるコストは適切か、高額すぎないか、なども重要です。機能とのバランスを考え、適切なコスト体系の商品を選びましょう。
- 既存の会計システムと連携可能か
すでに導入している会計システムと連携できるものを選びましょう。
- 自社の要望に合わせてカスタマイズできるか
経費精算システムの多くは自動仕訳が可能ですが、仕訳の項目は、各企業によって微妙に異なります。また、経費処理に関する社内規定を設定することも必要です。システム導入時にはこれらの項目に合わせてカスタマイズを行うため、どの程度柔軟にカスタマイズできるかを確認しましょう。
- スマートフォンアプリがあるか
営業部門や管理職などからは、外出先や出張先でも経費処理を行いたいという需要があります。営業部門や管理職での使い勝手を重視するなら、スマートフォンアプリからの申請や処理が可能なシステムが必要です。帰宅途中や通勤中でも申請や処理が可能になるため、従業員全般に歓迎されるでしょう。
- サポートはどの程度期待できるか
システム導入時や導入後の運用サポートがどの程度受けられるかも重要なポイントです。経費精算システムは、電子帳簿保存法などの法改正の影響を受けて修正が必要になることがあります。導入後に修正サポートがあるかも重要な要素です。
経費処理の悩みを解決するためには、自社に合った経費精算システムの導入を検討しよう
経費精算システムを導入することで、経費処理を大きく効率化できます。経費の処理は、経理部門だけでなくすべての従業員・経営者がかかわりをもつため、経費精算システムの導入は全社的な業務効率化につながります。
しかし、経費精算システムは、商品によってそれぞれ特徴が異なります。導入するときには、自社に合うシステムかどうかをよく調べましょう。特に、自社の企業規模が、商品が対象とする企業規模に合っていない場合は、使い勝手が良くないものです。
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