村本建設株式会社は、創業116年の歴史を持つ総合建設企業です。同社はDX推進の一環として、「全ワークフローの電子化」を目指した取り組みの中で、経費精算の電子化に着手し、SAP Concurを導入すると同時に、法人クレジットカードを導入。間接部門の業務効率化及び社員満足度の向上を実現されました。
同社の経費精算のこれまでの運用は、申請者が受領した領収書を台紙に貼り付け、基幹システムへの入力、その後、印刷した帳票をホッチキス止めして回覧するワークフローとなっていました。貼り付け及び経費精算の入力に平均20分、承認者は承認印を押すために出社しなければならず、外出などの理由もあり、決裁までに平均1週間は要しており、非生産的な状況でした。紙での運用をしていることがこのような状況を生んでいることは認識していたため、過去にも経費精算、請求書受け取りの電子化について情報収集されていたそうですが、建設業特有の特殊な科目や工種管理などの整理などの運用面の懸念が払拭できず、デジタル化が進んでいない状況でした。
経費精算のデジタル化検討を開始した当初、建設業特有の個別原価管理や工種管理に対応している基幹システムを改修して運用することも検討に上がりました。しかし、電子帳簿保存法のスキャナ保存に対応していくこと考えると、かえってオペレーションが煩雑になり、従業員の負荷も上がることが想定されたため、経費精算システムを導入することで最適化することとしました。また、並行して法人クレジットカード導入により、個人の立替えをなくすことで、社員の金銭的、精神的なストレス軽減を実現しています。
デジタル化によるメリットを以下3点と位置付けられ、
これらを実現するソリューションとして、建設業界での実績が豊富なSAP Concurを選択されました。
SAP Concurに導入により、領収書を受領時に都度写真撮影する運用に変更することで、紙の精算書に添付する時間を削減、承認についても電子決裁となるため、平均2日程度に短縮されるなど、大幅な生産性向上を見込んでいます。このプロジェクトは、リベルタス・アドバイザリー、有限責任監査法人トーマツの支援のもと実行され、デジタル運用を定着させ、内部統制の強化につながる業務改革を実現しています。将来的にはグループ企業への展開も想定しています。
コンカー導入により、紙からデジタルに変わることで、従業員の経費精算業務及び間接業務の大幅な効率化につながりました。また、並行して導入する法人クレジットカードにより、個人の立替えや社員仮払いをなくすことができ、従業員の満足度向上に期待しています。
今後は、実績などのBI化により、各種分析や経費の統制に役立てていければと考えています。