JVCケンウッドが経費精算のフロー見直しに取り組んだ背景には、「量」から「質」を重視した働き方への変革という方針に加え、国内外の生産・営業拠点への出張経費申請処理の効率化という課題があった。
さらには紙の精算書に捺印するハンコ文化は不正の温床になりかねないという懸念から、ガバナンス強化、生産性の向上/機会損失の低減、経費利用の可視化をコンセプトに掲げ、経費精算のシステム化に着手した。
いくつか比較検討していた競合製品に対して、Concur Expense はIntelligenceというBI 機能による経費分析や後追いでの監査機能が優れていたという。また複雑な経費規程への対応がフレキシブルに行えるという点は導入の推進力になった。
また、担当業務によって経費精算をほぼ行わない従業員もいるため、人数に対してではなく、申請件数に対して課金する料金体系が同社にとっては合理的な選択だった。
さらに、コンカーが提案にあたって唯一、電子帳簿保存法への対応に言及していたこともあり、発展性の面でも高く評価された。
JVCケンウッドではさらなる業務変革に向けて、以下4つの取り組みを進めている。
今後の目標として、電子帳簿保存法の適用に向けた社内規定の整備を掲げ、その実現に向けてコンカーの提供する各種サービ
スを活用していく予定。会計システムの刷新の際に請求書を電子化管理できる Concur Invoice は、有力な選択肢になるとのこと。
一方では、BI ツールであるIntelligenceを導入して、予算執行状況のリアルタイムでの把握、上長承認後も長期間動きがない申請の抽出や、事業所別に経費の用途・項目の実態分析を試験的に行うなど、本格的なデータ分析/活用に向けて試行中だ。
今回の Concur Expense 導入でもっとも大きな収穫は、管理職から現場の従業員まで、ガバナンスに対する意識が明らかに変わってきたこと。
JVCケンウッドのガバナンス強化に向けた取り組みは、着実にその基盤を固めつつある。
「Concur Expense では、経費規程が組み込まれているため、経費の分類・判断基準が明確です。経費精算を通じて、現場と上長の双方にコンプライアンス/ガバナンスに対する意識が育ってきたのが、もっとも大きな成果です」
-株式会社JVCケンウッド コーポレート 財務部 支払・債権管理グループ グループ長 中井宏明氏